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「もしもに揺れる」(詩)

あなたがもしも生きていたら
私は幸せだったかしら
悲しみは他にあてられ
譲れる場所があったかしら
たとえば花は生に咲くもので
死へ寄り添うものだとは思わなかった?

虫を見ても
雲を見ても
すぐに消えてしまう雪の影にも
あなたのことを思いだしたりはしなかったでしょう
あなたがうつくしいそのままを見て
すぐそばにある他の生きる光に目は向かわなかったはず

それが幸せかどうかなんて
誰がどこからどの角度で見極めてくれる

あなたが生きていたなら
私はそりゃあ幸せだ
だってあなたが生きる明日が
素直に夢に見られる
覚めた空気を焦がすことなく
明るい紫の朝を迎えただろう

だから
必ず幸せではあったよ
今 あなたを失った私が
どう望んでも幻だという事実が
誰の目にも確かな現実に在るなんて
そんなこと 今幸せな私にも分かるんだ

もしもと呟きたくなる
分かり切った背比べをしたがる
あなたが今も私に大切だと揺らしたくなる
それが悲しみを降らせて足下を悪くするのに
時々とまらない
あなたがもしも生きていたとしたら

私は幸せだと言い切る
あなたが生きているもしもは
そうだよ
今の幸せな私よりも幸せだと誓う


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