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「逃した魚の足」(詩)

逃した魚は大きい

一度私に足先を下ろしたお話に
私は近々二度も 手を伸ばし損ねた
あとに残るものこそ
書くべきもので
忘れてしまったものは それまでのもの

なんて言うけれど

あの揺れるスカートの裾
ひざのお皿のうらの白さ
健康な足のうらのふくらみ 

きっと骨だけになっても
大きかった魚のことを思うことができたのじゃないかしら

心は惜しむ

ただ単に
身体はため息をおとすばかり

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