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「いのり」(詩)

ただ、祈りたいときがくる
目を閉じ
手を合わせて
そして呼吸だけを回す

そこでは言葉が小さくなり
影は失われていく
体の微細な震えだけが
呼吸と共走していく

そうして私に満ちていくものは
正しい時間
区切られることのない
永々を遠々へと
流れを通す

一段深く整えて
やがて
手をほどく

祈りが去っていくのを背中に
私は言葉のあらゆる意識の揺れも感知する藻に転じ
現世と全ての境に浮かぶ

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