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「雨に知る」(詩)

やさしい雨だった
肩を打っていく
背中を流れていく
冷たくなる指先と
ぼんやりと芯を意識する天辺

あなたを 待っていたかったのに
たったそれだけなのに
こころは果たされないようだ
もう待つのは あなたで
私はこれからどこまでも
歩いていかなくてはならない

あなた

会いに行く
会いたいから
必ずどこであっても
会いに行くから

雨の日には濡れないで
寂しい色にぼやけないで
隠れようとして私の外へ行かないで

私は歩くから
ずっと遠く

私の背を追って
雨は辿る
あなたが待つ
その道筋を私は真空の中に
閉じこめられたらとおもう
あなたへと落ちていく雫の
重たさと明滅に神経を凝らしながら

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