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「花の匂い」(詩)

花の匂いがした
青い瞳にも
赤い瞳にも
夜のような 樽の底のような色の瞳にも
花は便りを寄せる
どこまで届くかは 風次第
足は速く 深くへも向かう
出す心持ちは逸り 浮足立っているかもしれない
明日開く瞳にも
あと少しで閉じる瞳にも
花は たおやかな筆跡をむかわせる
匂いは 問いかけられてもいないのに
十全な答えを抱えた詩を うつろい よこす

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