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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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#自由詩

「見あたらない」(詩)

遠くへ行くような気がして はるか上を見上げた 澄んで高い青の先は どこにも届かないはずだ 流…

とし総子
1年前
7

「ゆらる」(詩)

おはようの後の 光 あたらしいことのそばで 終わりは うつらうつら 揺れて 明日のうしろに …

とし総子
1年前
9

「アメ玉」(詩)

あなたをアメ玉にして 長く長く 口に放り込んでいたい 消える瞬間もあじわって 私の舌を削り…

とし総子
1年前
12

「限りのない」(詩)

限りのあるものを愛するのと同じように 限りのないものを愛する 私たちは 短く 小さな愛を…

とし総子
1年前
5

「愛を飾る」(詩)

わたしは 尋ねたい あなたに愛を覚えさせた出来事を ひとつ ひとつ 形のちがう硝子を並べる…

とし総子
1年前
4

「映画」(詩)

あの二人は 恋をしていた 映画の中で それは楽しそうに うららかに頬は染まり 水を弾く光り …

とし総子
1年前
8

「星の盾」(詩)

わたしは 暗闇にいたから 光にはなれなかった あなたを呼べば あなたは応えたでしょう 光のように 現れて 内側を光らせる 実をくれた だから けして 声にしなかった 星を眺めて いただけだった

「くつろぎ」(詩)

灯し火は 必要ですか いいえ 地平は赤く 金を帯びて 震えます ほとばしる 走る 勢いのま…

とし総子
1年前
5

「指先」(詩)

わたしは私をしばるものが嫌い わたしをとどめるものも わたしの選択を あたかも与えてやると…

とし総子
1年前
8

「結び合った手は溶けて」(詩)

時は行くから こちらは手を引かれて 時折 前のめる 転ばないようにと 振り向いてはくれるけ…

とし総子
1年前
7

「鈴」(詩)

必ず、と貴方は言った 雨は降る、とか 月は満ちる、とか 妖しく、うつくしく、流れていく何も…

とし総子
1年前
7

「子供のままで」(詩)

ひろびろとした 星を行く 澄み渡っていく足下 ひとつ ふたつ ジャンプして どこまでも花の…

とし総子
1年前
6

「あなたと私とあなた」(詩)

あなたと 私と あなたと 連なっていった さきに 閉じることはない 闇が咲く 幾万の光は …

とし総子
1年前
9

「いしづえ」(詩)

わたしが 心に頷かれないことを 口にしてはいけない 鱗のように きらきらと 言葉は万の方向から光を受けるけれど 私から見えるそこに うつくしさを感じられないものを 吐き出してはいけない この口を この目を 通り越していくまでは 私の一部なのだから 心のどこかに収め そして発つときを見定める すべてを知らせてほしいのだ どうか わたしは 自分からの否を信じられるようになりたい わたしが心から親しみ 手を握って 送り出してやりたいから だから どうか 言葉よ 私の目を見て