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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2023年4月の記事一覧

「レディー」(詩)

あぁ 昨日は さいあくで あぁ 昨日は さみしくて あぁ 昨日は うんざりしてた 晴れてあ…

とし総子
1年前
8

「傷」(詩)

手首を切れば 楽になるのか 言ってごらん さぁ、正直に 正しい声の大きさで ほんの切れ端ほど…

とし総子
1年前
11

「恋のうた」(詩)

さまよったことはない さすらえるほどの度胸はなく とぐろを巻くのは 月を呑み込む不届きな …

とし総子
1年前
7

「四月二十七日」(詩)

このロマンチスト 振り返る髪は 二つ括り 丸い飾りのついたヘアゴム オレンジ色だったよね? …

とし総子
1年前
8

「よびかける」(詩)

あなたは 明るくも 暗くも あたたかくも つめたくも 秋に質を太らせ 春に恵が潤い 夏にはど…

とし総子
1年前
7

「わたしの深くで」(詩)

ほんとうの意味は わたしの中に沈んでいて それは深く 濃い ゆらめきの底にあるから 大きな石…

とし総子
1年前
7

「歩く」(詩)

ずっと歩いていく 羊の目 くろくて丸くて 広い広い ずっとずっと 歩いていく オオカミの目 ひなたの匂い カナブンの羽音 言い訳よりはやくうごく ずっと歩いていく 夕暮れが滴った 鼻先が濡れている ずっとずっと歩いていく

「うつくしい今」(詩)

しずかに 目を閉じたよ 喉を傷つけてまで 言葉を投げなければいいのに どうしても しつこい…

とし総子
1年前
8

「繰り返される光」(詩)

あなたの足音がかき消され あたたかな身に引かれた線は みじかく繰り返される光とのやりとりに…

とし総子
1年前
8

「線を捕える」(詩)

あざやかでいて その胸に さざめくものが 光を反射して あなたを おぼろげさせるから いつも…

とし総子
1年前
8

「まぶたの朝」(詩)

ときどき  空を覆ってしまいたくなる あなたが 自分の目を覆えないのなら 星を拾っては あ…

とし総子
1年前
13

「あなたの怒り」(詩)

私は思う あなたには怒ってほしくないと 滑らかな頬でいて 飛び跳ねる歯は 苛立ち 尖った声は…

とし総子
1年前
8

「足裏に灯を」(詩)

つよい喉を喰い尽くせ 青い灯火に 指をそえて 暗い朝を そっと守る 落ちていくものに導き手…

とし総子
1年前
9

「にぎりあう両手」(詩)

ねぇ 向かい合った両手を いっぱいに握って どこまでが自分の手か 分からなくなるまで どうか 鼓動を合わせて わたしの吸った生を見つけて 追いかけて つかまえたなら ダンスでもしましょうよ どこかなんて見つかるならば 手を離して 飛んで行ってしまうひと たのしくて やさしくて かろやかな あなたの両手は だからこんなに うつくしい 握っていると溶けだしてしまいそう 同じ呼吸で 伝わってくれたら こんなに心がいっぱいなこと あなたの見かけたどこかなら わたしも たち