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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2023年2月の記事一覧

「終わりに近寄らず歩くの」(詩)

ずっと 愛は変わらない? いいえ、いつまでも 変幻自在なもの やさしく揺れては 大きくへこ…

とし総子
1年前
9

「うろこ雲」(詩)

朝の鱗雲 あたらしくて 冷たい光に 枠は やさしく ていねいに 削られている そこには 甘…

とし総子
1年前
6

「思い出すばかり」(詩)

きみを 忘れない と つみあげるたび きみを 忘れたい と 叫び声をあげているみたい きみ…

とし総子
1年前
9

「日々のこと」(詩)

明日に会ったら ようやく と思う 明日の去り際には なのに もう と感じる そうやって少し…

とし総子
1年前
7

「強情」(詩)

ありがとう、と言ったことを 後悔はしていないけれど ありがとう、と言ったことが本当にいい…

とし総子
1年前
12

「好きな、好きな、さま」(詩)

これほど 悲しさは 本当に私から 溢れてくれたのか 質量を越えてまだ どうどうと 溢れてい…

とし総子
1年前
15

「許してくれとは言えない」(詩)

私は誰に許しを乞うているのだろう それは 何をしたことへの または しなかったことへの許しで そしてそれを乞うたからといって 今 私の何が変わるというのだろう ここまで 聞いてもらうことのない許しを口にたずさえてきた ここからも 恐れるほどに 私は許しを口に運ぶだろう 乞うている間は 謙虚でいられる気がして 頭にきた時も 悲しみが 深すぎて頭が重たいときにも 同じ許しを乞うだろう

「すきだったなら」(詩)

辛い好きを選んだのなら どうぞ座って 荒れ果てた手を重ねて 心の中に猫を入れてあげる 丸くな…

とし総子
1年前
8

「夜の光」(詩)

月のおいでません夜 何を頼りに歩かれる それは灯火 わたしの胸に生えた木々 その枝先に火を点…

とし総子
1年前
8

「心をうつしとる」(詩)

心が凪ぐようにと 言葉を綴ることは かなしいことだろうか 暴風を少しでも逃がそうと 白紙…

とし総子
1年前
11

「限りある地下」(詩)

あなたの名が あなたの地平からきれいに洗い流されても 根は残る 私の中の あなたも根に繋が…

とし総子
1年前
7

くらい詩、みっつ(詩)

今日の詩は、 くらい気持ちで書いた詩をまとめて載せます。 よかったら読んでやってください。…

とし総子
1年前
12

「私の築く門は」(詩)

あなたのとなりに立つ時は 私は自分の築き上げた 立派な門をくぐって立つか 果てしないような…

とし総子
1年前
7

「月ノ光とわたしの頬」(詩)

月の光りが香る 眠りかけた私のまぶたに 明るい黄色が ふわりふわりと 落ちて 撫でる 遊びに誘ってくれて ありがとう 私の指は くたくたで冷たい どうか しっかり握っていて 人間っておかしいの か弱くて つかれやすくて 図太いよ こんなに明るいのに ちっともあたたかくない 月の光りに ちょっと似ている ベッドの底で 会いましょう または 広々とした天幕の向こう側で まぶたを忘れた姿で 向き合いましょう あしたが 風で捲れ上がるまで たちまちの秘密のなかに隠れて 輝く月のにおい