マガジンのカバー画像

詩、誌、氏

702
詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
運営しているクリエイター

2022年11月の記事一覧

どこより立つも、今に(詩)

明日が より曖昧に 味わいうすれていくとしても 今日 この今が しびれるほど 舌に残るほう…

とし総子
1年前
5

「書くを生きる」(詩)

どうせ 生きなくてはいけないのならば 私は 書いて生きる 物語りの欠片を拾い あつい砂のう…

とし総子
1年前
12

「死と星と花」(詩)

死が あなたの肩にかかる さぁ しっかりと前を合わせて 指先も 足先も きちんと包んでしま…

とし総子
1年前
10

「わたしの魂」(詩)

わたしの魂が欲しいと おっしゃるならば どうぞ と 手に手をとって どうせならば少しくらい…

とし総子
1年前
3

「詩が欲しい」(詩)

詩が 欲しいと 喉が渇く 空白に 落ちたいと 体は捻り回される あぶくの上に 立つような …

とし総子
1年前
25

「色付いた地で」(詩)

色付いた木々の葉が これほどにうつくしいのは 何故だろう やさしく吹く風に 育ったその木を…

とし総子
1年前
6

「落ちる言葉」(詩)

落ちていくものが 許しを得たのだと どうして思うの? あなたは 自信をもっていうけれど その手は何も結べずに 互いの指を押しつけあっていた 正しいことを言うのなら その目を 正して言うべきだった それならば そのひと時のあいだだけでも 言葉は力を 持ったのに あなたは 信じてやれなかった あなた自身の言葉すら そして あなたの言葉を拾い付き添う私を 掃除をしているように 考えていてから あなたの未来の 行く手さえ あなたは 信じてやらなかった 私の手の中に 拾われ

「灯火」(詩)

醒めない夢の中で あしあとはつかない 小さな響きを灯すだけ

とし総子
1年前
5

「さよならは溶ける」(詩)

さよならは 足あとを残さない 途切れた空間だけを置いて ふっと 断つ おぼろげな影だけが 心…

とし総子
1年前
9

「白い花」(詩)

白い花が咲きますね どうしようと 勝手だと 頬を 大粒の透明が踏み荒らしていく 君の唇が …

とし総子
1年前
17

「名を覚えている」(詩)

手の平を預かる やわな肌を通りこして 白色の過去は歌う あなたに似た夏が 秋に食い殺された…

とし総子
1年前
14

「星座」(詩)

時が行く 鳴らすものを 省いて とまどいに 知らせず 熱の冷めない目も 放置して 行くべき先…

とし総子
1年前
8

「海、決して反して」(詩)

なだらかになった海は ゆったりと沈む 本来は 浮かぶべしものなのに それに反しようとしてい…

とし総子
1年前
7

「花をのぞむ」(詩)

咲いた花を覗いた 可憐だと言われ 指を押し込まれる つぶそうだなどと 考えるはずもない のに 苦しみは 指先を 侵す 先に こじれたのは 物語り それとも 目の前にうつむく 咲いた花 覗き込むように 頭を下げていた