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あなたとはその後も、毎日会った。 あなたと私は、毎日私の額とあなたの額をくっつけた。 …
病院の中の光景は、夢の中の様だった。それぞれに別の場所を目当てに、年齢も性別も関係なく…
はっとして、目を開けた。 私は自分の手を見た。 やせ細った手ではなかった。 見覚え…
引っ越しの当日は曇り空で、蒸した空気が肌にまとわり付いて、うっとおしくて仕方がなかった…
母に連絡を入れて、今の自分の状況を説明した。彼女のことを聞かれたが、詳しくは話をしなか…
私の中で、あなたが笑ってくれることがあった。やさしい笑顔で、目を細めて、うすい唇は光る…
私は結局大学を卒業後、声を掛けて貰った書店で働くことにした。彼女はその頃就活の追い込みをしていたので、就職祝いをしたいという申し出は丁重に断った。 二人で暮らす部屋は、変わらずに穏やかだった。時間が合わなくなった時も、彼女のタイミングをはかった接触で、糸は適度に変化しながら繋がり続けていた。 夕食に顔を合わせては話をし、時間が合えば二人で映画を見た。お互いにお金を出し合いホームシアターを買ったので、映画鑑賞会はなかなか本格的なものになっていた。見るものも、感動作や穏やか
空は透けて、風が一陣強く吹いた。朝の講義の後、私は大学内のコンビニに寄った。彩りの柔ら…
新学期は穏やかに始まった。 最近は、講義でいっしょになった数人と、大学内のカフェや食堂…
あなたの病室の夢を見た。 私は空っぽのその中で、立ち尽くし、そして窓から溢れる空を見…
夏の暑さに、窓を開けて過ごすことを諦めたのは七月の終わりだった。この夏の猛暑はあなたが…
「それで、結局いっしょに住むことになったっていう話?」 目の前で頬杖をついた級友は、眩…
後輩と会わないまま、私は二回生に上がった。それは大した感慨も湧かなない春の訪れだった。…
家に帰り着いた私は、母に適当なことを言って部屋に引っ込んだ。部屋のドアを開けると、昼間の熱気がまだ残っていた。ひらとも揺れないカーテンを見つめながら、私は後ろ手でドアを閉めた。そのまま座り込み、折りたたんだ足の上に額を乗せた。目を閉じる。浮かんでくるのは、白い手首と金色のブレスレットだった。 体の動きを止めてからの方が、汗は噴き出すのは何故なのか。頬を滑り落ちていく汗の玉に、今は何も感じなかった。額と膝の頭がゆっくりと離れていく。私はドアを背にし、持ち上げた頭を軽く打ち付