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調布国際音楽祭2022オープニング・コンサート @ 調布市グリーンホール (2022.6.19)

東京は梅雨の合間の晴れ。本日午後は、音楽祭第10回記念 オープニング・コンサート「かてぃんplaysラプソディ・イン・ブルー」へ(ヘッダーは休憩時間後のステージを自席から撮影)。

調布市グリーンホールの入口

以下は、1人のCateenファンが感動したことを徒然なるままに綴ったものなので記述に偏り有り。

今日の感想をひと言で言うと「最高!」。

幸せな気持ちに浸りながら帰途についた。他の音楽を聴くのが勿体なくて余韻に浸りつつ、何か残しておきたくなって久々にnoteを書き始めた。

開演前のステージ(自席から)

ジョン・ウィリアムズ:スターウォーズ・サガ

初めに鈴木正人さん(明治大学付属明治高等学校・中学校吹奏学班の顧問・常任指揮者)の指揮で、同校吹奏楽部(想定より女子率高め)によるスターウォーズ・サガが演奏された。吹奏楽部の皆さんは薄い黄色のジャケットがユニフォームで、ステージがひまわり畑みたいだった!

演奏が始まると、ステージのバックと左右の壁に星が降り注ぐ夜空のような照明演出が施され、一気に映画の世界に連れて行って貰った雰囲気のなか、メインテーマから奏でられた。若々しいエネルギーがみなぎる演奏、ハーモニーが素晴らしく楽しませて頂いた。照明も曲調が変わる時に暖色系に変わったり、凝っていた。

演奏後、鈴木優人マエストロが下手から登場し、拍手を送る。どちらかのマエストロが、ステージの奥の方を見やって、「1人だけ、服装が違う人がいますね」と声をかけると、N響のホルン首席奏者だった福川伸陽さんがステージ前まで出て来られ、客席に挨拶した。マエストロから「N響の首席奏者だった福川さん、実はこちらの吹奏楽部の出身で、本日はOBとして参加されています」と紹介。とても贅沢なホルン部隊!ラプソディが楽しみになった。

音楽祭の開会式典

学生さんたちは座ったまま、ステージの前方で式典が15分ほど行われた(調布市長以下、挨拶内容は省略;一言だけ書き残すと、鈴木雅明さん(バッハ・コレギウム・ジャパン音楽監督)から、音楽を演奏する側も聴く側も感動を共有し、その共有が小さな一歩となって、世界の平和を導くといった内容の話にじんと来た)。

音楽祭10周年ということで華やかなことをしたいというトークの後、鏡開きのセットがステージ中央に用意された。鈴木優人マエストロの掛け声の下、調布市長さん以下音楽祭の企画に関わった8名くらいの皆さんがお揃いの半被姿でステージに再登場し、鏡開きが行われた。ホールがお祭りモードに包まれた。

鈴木優人マエストロのトーク

鏡開き(のセット)が上手方向に運ばれるとともに、下手に置かれていたスタインウェイのピアノが中央に移動される間、鈴木優人マエストロが、角野さんとの最近の共演のエピソードを披露した。以下は記憶の範囲内で書き起こしたもの。

4月にドイツのハンブルクでコンサートがあったんですが、出演予定のピアニストのアンゲリッシュが病気になり、代役を探す必要がありました。すぐかてぃんくんにLINE、いや、メッセージだったかな?を送って、代役を打診しました。

その時、かてぃんくんは、どこかに行くためのトランジットの最中で、「やれるかもしれない」という返事を貰いました。曲目はバルトークのピアノ協奏曲(3番)で、彼は以前弾いたことがあったらしいんですが、コンサートは2週間後に迫っていて、やったことがあっても思い出す時間など必要だったはずですけど、ちゃんと仕上げて来てくれ、それは素晴らしい演奏だったんです(会場から拍手)

ドイツ在住の日本人やYouTubeでかてぃんくんを知っていた方々が足を運んで下さったようで、楽しんで頂けました。

ではピアノが準備できましたので、かてぃんくんを呼びましょう!

カプースチン:8つの演奏会用エチュード Op.40 第3番「トッカティーナ」

かてぃんさんが登場。この時の服装は、調布音楽祭の黒いTシャツに黒いジャケットを羽織り、黒いパンツ。かてぃんさんと入れ替わって優人さんは舞台袖へ。

かてぃんさんの登場とともに会場からは大きな拍手が起こる。かてぃんさんは膝に両手を揃えて深くお辞儀した後、ピアノの横にあるマイクを手にして「今、紹介頂いた角野隼斗です。鈴木優人さんとは1年くらい前に「題名のない音楽会」で知り合って、それ以来、親しくさせて頂いています(鈴木マエストロ、舞台袖から少し顔を出して、客席に手を振り、観客からは拍手と笑いが起こる)。調布国際音楽祭に呼んで頂き、光栄です」と挨拶。

かてぃんさん、マイクをおいてピアノの前に座るや否や、トッカティーナを弾き始めた。私にとっては日比谷音楽祭(6/5)以来、2週間ぶり。1ヶ月に2回もトッカティーナの生演奏を聴けるとは、なんというしあわせ!

冒頭、右手の同音連打がまるでパーカッションのようにビートを刻み、ジャズのようなロックのようなリズミカルな旋律を奏でる姿は、打楽器奏者のようでもあった。次の主題はメロディアスなフレーズで曲調が変わり、今度はピアノを思いっきり歌わせ、低音の弦の響きはコントラバスみたいでもあった。圧巻の2分。生の音のシャワーで、ステージで聴き入っていた学生さんも観客もCateenマジックにかかった。

【6/22追記】何ということでしょう!学生さん向け音楽教室など忙しいなか、YouTubeにUPして下さった😭

3人のトーク(掛け合い漫才風)

万雷の拍手のなか、鈴木優人さんがステージに登場し、「素晴らしい演奏だった。時間が1時間くらい経ったかのような、あっという間だったような、、、そんな気がしました」と角野さんの演奏に賛辞を贈る。以下、トーク内容は記憶の範囲内で(一部、記憶違いや話の順序等、違う箇所があるかもしれない)。

優人さんが、森下唯さんを呼んだ。森下さん、角野さんをそれぞれに紹介しつつ、「かてぃんくん、100万人おめでとう!」と祝辞を送り、客席から大きな拍手が起こった。かてぃんさんは「つい最近、YouTubeチャンネル登録者が100万人を超えまして、数字に拘ってはいませんが、きりの良い大きな数字なので素直に嬉しかったです」と。優人さんが「角野さんはかてぃん、森下さんはピアニート公爵といい、それぞれYouTubeでも活躍されていますね」と改めて紹介。

森下さんは「かてぃんさんには敵いませんが、私も結構バズった動画がありまして・・・「エヴァQ」と検索して頂けると動画出てきます」と応じ、会場から拍手が起こる。角野さんは「僕は15歳の頃から11年位、YouTubeをやっていて、昔はニコニコ動画に「演奏してみた」動画を上げたりしていました」と。これを聞いた優人さんは「昔は(周囲に言わず)こっそり上げていたんですか?」と。角野さんは「そうですね、ネットの世界はネットの世界で(リアルの世界とは)別にという感じで・・・」と応えていた。

これに対し、森下さんは「ニコニコ動画の方だと、僕もそちらが(YouTubeより)先ですね」と言うのに対し、角野さんは「昔、見ていました」と。ここで、歳の差はあるものの、森下さんと角野さんはニコニコ動画繋がりがあったことが判明し、ステージが少しの間、オタクトークで盛り上がった。

優人さんが、森下さんとは小学校の時に、日能研調布校で一緒だったことを明かし、角野さんはそんな昔からの知り合いだったことに驚く。優人さんは、森下さんが●●(有名校)に進学し、偏差値の高い学校へ行ったことを羨むような発言で観客を笑いに誘う。優人マエストロが角野さんに話を振ると、「僕はSAPIXから開成です」と応える。客席からは(主にたぶんファンが)SAPIXに通っていたんだー、知らなかったーーみたいなざわざわが起こった(笑)。

その後、優人さんは、森下さんとは大学受験前にも(塾で?)再会し、今は調布国際音楽祭を一緒に企画するに至ると、話を進めた(まとめた)。森下さんはオープニング・コンサートで自らが編曲した「ゲゲゲの鬼太郎」をかてぃんさんと2台ピアノで弾きたいと考えたことを話し、角野さんは「僕はゲゲゲの鬼太郎(のアニメ)を(実際に)見たことはない(正直かてぃんさん!)のですが、(音楽は)聴いたことがあり、今回ご一緒させて頂けるのがとても楽しみです」と。

この会話の最中、上手のステージ脇からもう1台のピアノが運ばれ、2台ピアノの演奏準備が整えられた。下手側のスタインウェイに角野さん、上手側のピアノに森下さんが座った。

いずみたく/森下唯編:ゲゲゲの鬼太郎

今回2人の前に楽譜(多分iPad)があった。私は真ん中ブロックの前方、左通路側に座っていたため、かてぃんさんの手や表情がちょうど見えた。冒頭、あの懐かしい旋律が奏でられ、掛け合いのようになったり、ハモったり、スローなテンポで進められた。

私は「ゲゲゲの鬼太郎」のアニメをよく見ていた訳ではないが、ストーリーや主題歌は一応知っている。2人のピアニストたちの「ゲゲゲの鬼太郎」は大人っぽい香りが漂うお洒落なアレンジで、弾き進める先に広がる世界にワクワクしながら、2人を交互に観つつ、2台のピアノのハモりを楽しんだ。

ピアノ越しに頻繁にアイコンタクトをしながら、徐々に曲調が盛り上がっていった。途中、かてぃんさん側はラフマニノフっぽいアレンジ、バッハのインベンションやフーガ風なアレンジが出てきて、それらにジャズっぽいリズムも出てきたりして、これは即興?と思うところも!そのうち「ゲゲゲの鬼太郎」っぽさがどっか行ってしまい少しドキドキした。徐々に曲調が静かになって、2台のピアノで、片方が低音、もう片方が高音で掛け合いをするところなど、妖怪たちがひそひそ話をするような感じで、アニメの中のちょっと怖い場面が浮かんでくるようだった。最後は再び「ゲゲゲの鬼太郎」のメインテーマに戻ってきて、お洒落に終わった。

以下のツイートは当日午前中のもの。ここで、ゲゲゲの鬼太郎が2台ピアノ版アレンジと知った!

素晴らしすぎる演奏を、語彙力のない私が文章に表すのは難しい。。今日は撮影隊は居なかったようで録画されてない気がする。いつか動画化して頂きたいと願わずにはいられない合奏だった。

ガーシュウィン(D. ハンスバーガー):ラプソディ・イン・ブルー

20分の休憩時間を挟んで、後半。ステージ中央にスタインウェイがあり、下手にチェレスタが新たに置かれているのが気になった。吹奏楽部の学生さんがどこかで弾かれるのか。

茶色のピアニカを片手に携えた角野さん、その後ろに鈴木優人マエストロが登場し、吹奏楽部の皆さんも立って、挨拶。角野さんはピアノの横の台にピアニカをそっと置いて、椅子に座った。

ラプソディのソロバージョンは、昨年6月のブルーノートでのライブや今年の全国ツアーで何度か聴く機会に恵まれ、都度、違う即興アレンジを楽しんできた。オケとの合奏を生で観たのは、昨年2月のサントリーホール以来。今回は弦がなく、吹奏楽バージョン(正確には本日、コントラバスは2台いた)なので、どんな感じになるのか、チケットが取れた時から楽しみにしていた。

冒頭のクラリネットが音階を駆け上がっていくところ、コンマス席にいた女子学生さんが担当した。1920年代のNYのレトロな酒場の雰囲気が出てて素敵だった。

その後を追うように角野さんがソロを奏でた途端、ホール全体がCateen Landに!私の目と耳は、Cateenさんのソロ、吹奏楽の皆さんたちとの掛け合い、ハーモニーの全て、一瞬も逃すまいと自然と集中した。ディズニーランドの新しいアトラクションで次に起こること、見えてくることが何か、ワクワク待つ気持ちと同じような感じで、Cateen Landで起こることに夢中になっていった。その後の各パートとの掛け合いも絶妙で、学生さんたちを見る視線がやさしかった。学生さんたちのそれぞれのソロパートやCateenさんとのセッション、ものすごい緊張したと思うが、何れのセッションも素晴らしかった。Cateenさんとのリハを何回やれたのか、分からないが、対応力が高い吹奏楽部とお見受けした。

特に印象深い「調布音楽祭」限定版のカデンツァのシーンを書き残しておきたい。

【福川さんとのDuet】
いつも通りピアニカで始まったカデンツァ、途中、福川さんが後方からステージの上手に歩いてきて、ピアノの近くまで来て、さらに歩いてCateenさんのすぐ脇に立ち、アイコンタクトのあと、即興風セッションが始まった。深みのあるホルンの旋律に寄り添うように、音量下げて、弱音でピロピロッて合わせていくのが、何ともステキだった!

【Cateen、チェレスタを弾きに走る!】
福川さんとのセッションが終わった後、しばらくして、Cateenさんは椅子から立ち、下手に置かれていたチェレスタにさっさっと走った。その姿は鹿🦌のように素早かった。後半が始まる前にどなたがいつ弾くのか気になっていたが、まさかのCateenさん!!

ラプソディが始まる前のステージ


ホール中に甘美な音色が響き、耳と心の奥に深く沁みた。ここは天国か、夢の中か。

チェレスタの形は、鍵盤数が少ない、小型のアップライトピアノのようなので、Cateen邸の鍵盤ランドにある、ハンマーむき出しのアップライトでいろいろ実験してみている経験を生かして、今回チェレスタを取り入れてみたのかな。調べたところ、初版(1924年)のラプソディインブルーの楽器編成には、ピアノ以外にチェレスタが含まれているので、ここに着想を得て取り入れたのかもしれない。

時差退場の時、下手からズームで撮影したチェレスタ

ほっこりしたのが、チェレスタを弾き終えて、スタインウェイに戻るCateenさんの姿。吹奏楽の邪魔にならないよう、靴の音を立てないように?、そろりそろりと歩き、ちらっと観客席を見る姿が何ともチャーミングで、観客席からクスクス笑い声が起こった。

4月にバルトークを弾いて、NYの本場ジャズをいっぱい浴びて、GW期間中はJazz Auditoriaでのさまざまなセッションを行い、5月にはラヴェルのコンチェルトを弾いて、あらゆる経験が身体に沁み込んでて、それが今日のラプソディの演奏の随所にさり気なく散りばめられていて、改めてかてぃんさんの知性やユーモアのセンスに感動した。

最後、フィナーレのコーダに向かっていくところ、Cateen さんのテンポがどんどん上がってて、吹奏楽とのちゃんと合うかちょっと心配になったが、マエストロの導きで、息がぴったりあって、妙に感動した(プロに向かって失礼w)。コーダはミュージカルのクライマックスみたいで、次の展開がどうなっていくのか、ドキドキしながら見入って&聴き入った。

最後はホールに花火が打ち上げられたような感じで終わった。今日のCateen Land、マエストロ、吹奏楽部の皆さん、観客との一体感が本当に素晴らしく、すっごい迫力満点のエンターテイメントを見せてもらった気分になった。3月のすばるホールでのラプソディもこんな風に高揚したんだろう。

アンコール

演奏後、鳴りやまない拍手に応え、優人マエストロの誘導もあり、アンコール!ラプソディの高揚感に包まれ、熱気に満ちたホールで、Cateenさんが英雄ポロネーズを弾き始めた途端、ホールから一瞬、歓声と拍手が湧き起こった。マエストロは指揮台に座って聞き入っていた。

聴く度に、今日の英雄ポロネーズは最高!と思うけど、今日のも最高だった(笑)。この辺りで、優人さんが発したんだったか、忘れたが、「今日のコンサートのチケットはプラチナチケットです。ここに来られている方は本当に幸運な方です」と言って、熱狂に包まれた客席からはさらに大きな拍手が起こった。

その後もカーテンコールが止まず、マエストロからCateenさんに「あと1曲」とジェスチャーでアンコールの依頼が!マエストロはアンコールを聴くためにチェレスタの椅子に座った。すっかり観客と化していた。

Cateenさんは再びピアノの前に。何を弾こうか悩んでいる風だったが、すぐにI Got Rhythmを弾き始めた。YouTubeに上がっている変奏曲のアレンジをベースにしながらも、英ポロのフレーズをさらっと混ぜていたような即興もあって、最後まで遊び心を忘れないCateenさんに観客も学生さんも釘付けに。以下はマエストロの自撮り動画🤣

コンサートの後に思ったこと(後日加筆予定)

今日も興奮しすぎて、幸せすぎて、久しぶりに書くことにしたnoteで感想を上手く纏められなかった。

Cateenさんのコンサートは、同じ曲目でも、常に新しい仕掛けがあって、その場で生まれる即興アレンジもあって、聴いている側もワクワク、ドキドキしながら、Cateenさんの音楽に参加している感じになれる。やはり、できるかぎり、コンサート、生演奏を聴きに足を運びたいと強く思った。

小学生の日記みたいな感想文と拙いまとめになってしまったが、明日・明後日、仕事が立て込んでいるので、拙いながらフレッシュな感想をひとまず公開する。

終演後の角野さんのツイートとインスタストーリー(学生さんとの共演)

インスタストーリーでは、恐らくリハの時の吹奏楽班の皆さんとの集合写真を上げ、「学生と音楽作るの、良いなあ、またやりたい」と書き込んでいた。

学生さんとのコラボの醍醐味は、若者ならではの感性や反応から、かてぃんさんもエネルギーや気づきを得られるんだろう。プロとの共演では得られないものがあるんだろう。

学生さんたちも、角野さんのような若い音楽家との共演を通じて色々学ぶことができる。何より、角野さんとの共演は、既存の枠にとらわれず、自由に表現する姿勢から刺激を受け、全身で音楽を奏でて楽しむ姿をみて、一緒に楽しめるのが魅力だと思う。

番外編

鈴木優人さんが撮影されたらしい舞台裏でのハプニングをツイートしちゃうハヤト少年😂

(以上)

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