【書評】「あとどのくらい子宮を堀り続ければいいんですか」という産婦人科医の悲鳴を全ての女の子の親は深く受け止め考えて欲しい 『10万個の子宮』
日本人の2人に1人が癌になり、3人に1人は癌で亡くなっている。
そんな中、医療がどんどんと進み、癌は早期発見の場合、ほぼ治せるようになっただけでは無く、予防できるようになってきている。
しかし、日本では多くの癌が予防が出来る様になって来たにも関わらず、殆どの人が予防出来るという事を知らずに、相変わらず癌にかかって、癌で亡くなっていっている。
この本は予防接種で防ぐ事ができる「子宮頸がん」を多角的に取り扱った本である。
何故、先進国の中で日本だけが子宮頸がんの原因となるウイルス、HPV(ヒトパピローマウイルス)の予防接種率が異常に低いのか、その原因をご記憶している方も多いだろう。
2012年、思春期の女の子はHPVワクチンが定期接種となっていた為に、ワクチン接種率は70%近くあった。
しかし、女の子が異常痙攣を起こしたり、文字を書けなくなる等、HPVワクチンの為に重篤な薬害が出たというニュースが世間を飛び交い、映像の強烈さから多くのテレビ番組で取り扱われた。
HPVワクチンは重篤な副作用を起こすものではない事は、今は世界では科学的に証明されているが、日本政府は面倒臭さから、サイエンスより感情を優先して定期接種を辞めてしまった。
そして日本政府は世界で初めて、HPVワクチン被害での国家賠償請求まで起こされてしまった。
その結果、今HPVワクチンの接種率は1%以下となっている。
産婦人科医はこれから先、子宮頸がんに掛かった患者から子宮を堀出し続けなければならない。
恐らくこれから10万個は掘らないといけないと筆者は予言しこの題名をつけている。
「子宮頸がんは若くしてかかる」
想像して欲しい。
まだまだ夢も先もあると思ってたあなたの娘さんが、子宮頚がんにかかり、子供が産めない体になったり、亡くなってしまったりする事を。
ぜひ、この本を読んで科学的に思考する訓練を積み、深く考えて欲しいと思う。
この記事は以前、HIU公式書評ブログに寄稿した文章を編集し直してます
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