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ごてんまりの本当の課題:知名度はあるけれど理解はされていない

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。
「ごてんまりの"分かる"と"できる"を届けたい」をモットーに活動しています。

ごてんまりの本当の課題は「知名度はあるけれど、全然理解されていない」ことだと考えています。
よく「ごてんまりを広めるためにはうんぬん」とはじめる人がいるのですが、ごてんまりの課題は「知られていないこと」ではありません。
ごてんまりの知名度自体はそこそこあります。
問題の本質は「ごてんまりを広めることができていない」ではなく、「広めようとする人がごてんまりを理解できていない」ことにあります。

先日、わたしが主催するミニごてんまり教室に来てくださった方が「秋田の魅力を伝えて関係人口を増やすようなイベントを企画している。ゆりてまりさんにはワークショップをやっていただけないか」と話を持ちかけてきました。
その方は11月のカタルバーにも来てくださった方です。

その企画書を拝見すると、「本荘ごてんまりを作るワークショップ」「ゆりてまりさんに学ぶ本荘ごてんまりの伝統」などという言葉が目につきました。
だんだん不安になってきて、「でもわたし、本荘ごてんまりは作っていないですよ?」と申し上げたところ、その人の顔が「!?」となりました。

本荘ごてんまりとは、球体の三方に房の下がるまりのことです。

本荘ごてんまり

わたしの作るまりには房が付いていないので、わたしは自分の作るまりを「本荘ごてんまり」とは認識していません。
FacebookやInstagram、noteの自己紹介にも「本荘ごてんまりを作っています」とは記載していませんし、ミニごてんまり教室のチラシにも「本荘ごてんまり」という言葉は使わないようにしています。

だから「本荘ごてんまりのワークショップをやりたい」「本荘ごてんまりの伝統を学びたい」というご希望でわたしのところにいらっしゃっても、うまくお答えできないんです。
カタルバーで3000字分わたしの話を聞いてくださった方でも、このような勘違いは起きます。

今回は企画書を持参してきてくださったので、事前に認識のズレが分かりましたが、なかにはイベントの告知がネットにアップされた段階で判明することもあります。
他によくあるのは、由利本荘市のごてんまりは漢字の御殿まりではないのに、漢字表記になっているというミスです。

一昨年くらいまでは「わたしは本荘ごてんまりは作っていない」「由利本荘市のごてんまりは漢字表記ではない。平仮名にしてください」などといちいち文句を付けていました。
しかしある人に「自分の主張ばかりでは何事もうまくいかないよ」と諭され、多少の認識のズレ、勘違いには目をつぶるようになりました。
あまりにも勘違いが多いからです。
だからわたしにも原因はあると思うのですが、それにしてもごてんまりは知名度はあるわりに、全然理解はされていないんだな、と思います。

わたしのところに連絡をくださり、「本荘ごてんまりの良さをみんなに伝えたいんです!」と熱く語る方は結構いらっしゃいます。
そういう方に「本荘ごてんまりって、どんなまりのことを言うのかご存知ですか?」と聞いてみると、たいてい答えられません。
電話の向こう側で「えぇっと、えぇっとですね‥‥パラパラ(何かをめくる音)」と必死に調べているらしい状況が伝わります。
ごてんまりを広めたい、何かしたいという思いは本物なのでしょう。
しかしそういう思いを持つ人が「ごてんまりとは何か」「本荘ごてんまりとはどんなまりのことを言うのか」「自分が伝えたいごてんまりの魅力は何か」を理解して行動しているとは限りません。
むしろ、ごてんまりや本荘ごてんまりについて全然知らないまま行動していることがほとんどです。

これは個人に限った話ではなく、由利本荘市自体の問題でもあります。
本荘ごてんまりの創始について、400年ほど時代が異なる説を同時発信していました。

これも「ごてんまりを広めることができていない」ではなく、「広めようとする人がごてんまりを理解できていない」から起こる現象です。
「ごてんまりで何かしたい!」「魅力を伝えたい!」という思いを持つのは、いいことだと思います。
しかし人は自分の知らないことを他人に決して伝えられません。
ごてんまり(あるいは本荘ごてんまり)の魅力を伝えたいと考えるなら、まずは少しでも知識をつけて欲しいと思います。

今まで「ごてんまりの"分かる"と"できる"を届けたい」をモットーに活動してきましたが、まだまだごてんまりの理解が全然されていないのは、わたしの実力不足もあると思います。
これがわたしの今後の課題です。
単純なごてんまりの知名度ではなく、理解を広められるような活動をしていきたいと思います。

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