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菊はすごい!(基本は大事)

こんにちは。秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

皆さん手まりと聞いてどんなまりを思い浮かべるでしょうか?
桜、梅、三菱、薔薇、花火、面高、菱重ね、鶴……。
いろいろありますが、これだけまりの柄がスラスラ出てくる人も珍しいでしょう。
ふつうの人が思い浮かべるのは、十中八九この柄だと思います。

手まりを持つ子供 着物

絵の女の子が持っている手まり、この柄を〈菊〉と言います。
まりの中でもっともベーシックな柄です。
この柄は糸を上から下へ、下から上へかけていくことにより出来あがります。
ちょっとだけ図解するとこんな感じです。

菊の作り方

この糸運びを「千鳥かがり」と言います。
上へいったり下にいったりするからです。
今でもあっちへふらふらこっちへふらふら、おぼつかない足取りのことを「千鳥足」と言いますね。

〈菊〉は初心者が最初に習うもっとも基本的な柄なのですが、基本をマスターするといろいろなまりを作ることが出来ます。


青いまり

こちらは全て〈菊〉のまりです。

色を変えるだけで全然違ったまりに見えますね。

青だけでこれだけいろいろなまりを作ることが出来るので、他の色も使うと本当に際限なくいろいろなまりを作ることが出来ますよ。

赤いまり

赤いまりも可愛いなぁ。
左から二番目と右端のまりは、〈菊〉をアレンジしてねじりを加えたデザインです。
放射状に広がった金糸は「松葉かがり」という技法を使っています。


〈菊〉を覚えるだけでこんなにたくさんのまりを作れるなんてすごいですよね。
まりを最初に習ったときは、早く〈菊〉以外にも作れるようになりたい! もっといろいろなまりを作りたい! なんて考えていましたが、実は一番ベーシックな〈菊〉が一番応用が効いていろいろなまりを作り出せる柄なんです。
そのことに気づいたとき、〈菊〉の素晴らしさを思い知りました。

やっぱり基本は大事ですね。


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