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【日本と西洋における右と左】ジブリとディズニーで説明したらめっちゃ分かりやすかった話

こんにちは。
秋田県由利本荘市でごてんまりを作っています〈ゆりてまり〉です。

以前、日本と西洋では進行方向が違う。
ごてんまりは常に右に向かって進んでいくので、和裁ではなく洋裁です、という話をしました。

大学生にごてんまりのワークショップをしていた際、この話をしていたのですが、あまり芳しい反応を得られませんでした。
ところがジブリとディズニーのアニメを使って説明したとたん、めちゃめちゃ分かってもらえた上に、感動さえしてもらったんです。
今日はその話をしたいと思います。

日本のアニメは右から左にキャラが進むことで、物語の進行を表します。
たとえばジブリの『風の谷のナウシカ』では、ナウシカの乗るメーベは画面左に向かって飛行します。
『紅の豚』でも飛行機が飛び立つシーンでは、機体は必ず左に向かって進んでいます。
エンジンの調子が悪いのにカーチェスから攻撃を受けたり、秘密警察の尾行を受けて歩いているときなどは、ポルコは右へ進みます。つまり右へ進むことで、うまくいかない状況であること、物語が逆行していることを表しています。
反対に、ディズニー映画『モアナと伝説の海』では、主人公モアナは常に画面右に向かって船を進めます。
伝説の島にたどり着くため、だだっぴろい海の上をとにかく右に向かって進みます。
西洋では右に進むことが物語の進行を表すんですね。
「A Whole New World」で有名な『アラジン』の飛行シーンも、魔法の絨毯は右に進みます。

こんな風に説明したら、最初はぽやんとしていた彼女の顔が何かを思い出しように張り詰め、急に「あぁっ!」と声をあげたんです。
「そういえば、王蟲の群れも左に向かって突進しますね!!」と。
人は誰かに教わるより、自分で気づく方がおもしろいと感じるもの。
「何で今まで気づかなかったんだろう!?」という驚きとともに、自分が発見したという獲得の喜びがあるので、より「おもしろい!」と感じるのです。

わたしとしては『ナウシカ』の華麗な飛行シーンを思い浮かべて欲しかったのですが、ぎょろぎょろ目玉のいっぱいついた巨大な蟲が群れをなして突進してくるシーンのほうが、彼女には分かりやすかったようです。
確かに印象に残りやすいですからね。あのシーン。
トラウマになりやすいとも言いますが。

何はともあれ、日本と西洋における右と左について、分かってもらえて良かったです。
わたしも現在35歳なので、10コ以上年が離れている大学生相手ではどうしてもジェネレーションギャップがあります。
わたしは女の子ばかりの女子大で、美術史なんていう毒にも薬にもならないような学問をやっていた頭の緩い学生でしたし、彼女の方は女子より男子の方がずっと多い理工学系の大学で学ぶ学生さんです。
共通の話題なんてほとんどないのですが、ジブリとディズニーのアニメは共通イメージとして成立しました!

アニメは偉大です。
年齢も属性も飛び越えてわかり合えるコンテンツがあってよかったなと思います。
ごてんまりをやりながらアニメの話で盛り上がったワークショップでした。


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