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にくきゅうのあしあと🐾 ~秋田柴子の物書き履歴 2022〈4703字〉

先日投稿した同タイトルの記事に、一部不備がございました。
訂正して再投稿致します。

2022年も、いよいよ最後の月ですね。
時節柄、今年を総括する記事をちょくちょくお見掛けします。
ちょうどいい機会なので、この流れにちゃっかり便乗して、これまでの歩みを振り返ってみようかと思います。

基本的に、私は公募中心の人間ではあります。
でも実際には、公募とは関係ない note や、400字小説投稿サイト『ショートショートガーデン』(以下SSG )での投稿も多数あります。
そして稀ではありますが、誰かのご依頼で書かせて頂くことも。

というわけで、公募と投稿の実績をそれぞれざっと集計してみました。
多少の誤差はありますが、だいたいこの程度かと思います。
「へー、いぬの人って何かいろいろ書いてんだ」
と、笑ってご覧頂ければとても嬉しいです。

なお便宜上、ここでは長編~SSを以下のように定義しております。

長編(201枚~)
中編(101~200枚)
短編(11~100枚)
SS(~10枚)← 坊っちゃん文学賞が4000字(=10枚)なので

では最初に、公募の実績です。
改めて遡ってみたたところ、初期の作品は書いた時期や日付が曖昧でしたので、2019年までをまとめて記載します。

2019年までの本数は「だいたいこれぐらいかなあ……」というテキトーな数値

最初の頃は東京新聞300字小説を、気が向いた時にポツポツと書くだけ。しかも書いたものの日付が残っていないため、データが曖昧。
何本書いて、そのうちどれを応募したのかも判りません(笑)

2019年に東京新聞と並行して『坊っちゃん文学賞』に初挑戦し、その直後にSSG に登録しました。そこから書く量が増えていきます。
本格的な創作はこの年から始まったと言っていいと思います。

2020年に初めて長編(230枚)を書きました。
2021年は長・中編に重きを置いたのですが、結果は全敗。方針修正を試みます。
2022年はとにかく「数を出すこと」を重視しました。必然的にSSや短編の応募が増えています。結果から言えば、良い選択だったように思います。

気になる(?)結果は、以下のとおりです。

……こうやって羅列すると、なんかスゴそうに見えますね(笑)
でも、親愛なる秋谷りんこさんに倣って計算してみますと、

これまで応募したのは全部で86本 → とりあえず引っ掛かったのは8本
つまり 8 ÷ 86 = 0.093… 9.3 %!!!

……ほほ。まあ、こんなもんです。
100本出したら、91本は落ちるということですね(笑)
純粋な受賞に絞れば5本ですから、その確率はさらに下がって5.8 %

その中でも2021年の「なし」は、とーーーーーても凹みました。

先にも書きましたが、この年は長編に力を入れていました。
何と言っても前の年に書いた初めての長編が、天下の小学館様の最終候補に残ったんでございます。
それはもう、有頂天の極みにどっぷり浸っていた秋しばでありました。
それで更なる結果を狙って、長編に没頭するのもお判り頂けるかと思います。
それが、ゼロ。釣りで言うなら「坊主」。
泣きますよ、それは。

何となく想像がつくかと思いますが、長編ってのは、書くのにまあ相当な体力を使います。書き終わった時は、文字どおり頭の中がスパークしています。それを1年間、途切れることなく続けた結果が、くどいようですが「坊主」。
その時の大打撃を赤裸々に綴ったのが、以下の記事です。

余談ですが、この記事はどこにもピックアップされなかったのに、驚くぐらい「スキ」を頂きました。初の100超えを達成し、ちょうど1年が経った今も、ちょこちょこご覧頂いているようです。
本当にありがたいことです。
それにしても1年が早い……(涙)

2021年の手痛い敗戦を機に、私は自分自身の創作への取り組み方を再度考えました。その時秘かに立てた2022年の目標は「〇〇受賞」などではなく、「結果に振り回されずに公募に取り組むこと」でした。
口で言うのは簡単ですが、これがまた存外難しいものです。
(本人の性格にもよるかもしれませんが)

具体的には、まず挑戦する公募の数を増やしました。それまで敢えて手を出さなかった光文社文庫Yomebaに参戦を決めたのも、そのひとつです。
俗な言い方をすれば「数射ちゃ当たる」方式ですね。

でも、まずは出さなきゃ当たらないですし。そして長編1本で「当てる」のは、年末ジャンボを1枚だけ買って、1等を狙うようなもの(違うか)。
やはりここはいろいろ織り交ぜて挑戦していく方が、確率も上がるだろうと踏んだのです。

そしてもうひとつ、私の文章はいささか「重い」です。簡単に言うと、余計な描写や修飾が多いんですね。長編でそれをやると、読む方はたまらないです。
ところがSSは、とにかく文字数制限が厳しい。限られた文字数で起承転結は元より、様々な情景・心象を描かなければなりません。
私にとってSSとは、文字数制限と戦うことで己の文章の贅肉を削ぎ落とす、非常に有用な訓練でもあるのです。

よくお仲間に「長いものと短いものを同時に書けてすごい」とお褒め頂きますが、それにはこのような事情があったりします。
ある意味、実利主義なんですね。純粋に「書くことが楽しい」と言える方の前に立つと、ちょっとばかり後ろめたさを感じたりもします。

ついでに言うと、長編とSSを同時進行で書くことは、ほぼありません。長編のスケジュールはだいたい決まっているので、それに合わせてSSの公募や締切をだーーーーーーーっと片づけて、それから長編に入ります。
そこに横から殴り込みをかけてくるのが、某Tさんの『毎週ショートショートnote』……いえ、聞かなかったことにして下さい。

今年1年の間に、自分の技量がどれほど上がったのかを知るすべはありませんが、唯一感じられるのは、お仲間の受賞の吉報を「おお!」と素直に喜べるようになったことでしょうか。
自分が落ちた悔しさを切り離せるようになったと言いますか。

また私のまわりでは、本当にたくさんの方々が受賞なさるのですよ。
そうしたら、どなたかが仰いました。

「まわりがどんどん受賞するということは、自分の近くにいい波が来てるということだ」

それを聞いた私は、感激しました。なるほど、そのとおりだと。

ただしその波をうまく捉える努力は必要です。波を感知するアンテナも。
それはひたすらに書き、読むことでしか成し得ないのだと思っています。


さて脱線が過ぎました。
続いて、公募以外の投稿数も見てみましょう。

ここには基本的に、公募作品は含まれていません。
そうなると、これまで書いてきた物語の数は
「公募 86+投稿記事 217=303本、約300本」
と考えればいいでしょうか。
……思えば遠くに来たものです(笑)

既述のとおり、本格的な創作は2019年に SSG へ登録したことから始まりました。
note の登録は、2021年の『ショートショートnote 杯』がきっかけですね。
最初は note の公募に参加したり、他の文学賞で撃沈した作品を供養するのに使っていましたが、2022年からは、皆様ご存じの『毎週ショートショートnote』に参戦するようになりましたので、一気に数が増えています。

毎週お題(などと生易しいモノではないですが)が出される、この『毎週ショートショートnote』。
この沼に……いえ、道場に参加しているおかげで、新たにたくさんのお仲間ができ、また定期的に書く習慣が生まれたのは非常にありがたいことです。

一方『ベリショーズ』というのは、私が所属している無料SSマガジンです。SSG にいた頃に、一部の庭師(=SSG 登録者)の方々が作っていた雑誌でした。
私はそのベリショーズに、とてもとても憧れていたんですね。
そうしたら2019年の1月に、偶然からお誘い頂く運びになったのです。
その時は文字どおり、狂喜乱舞しました。

ところがこのベリショーズ、めちゃめちゃ実力者揃いなんですよ。
何と言っても

『坊っちゃん文学賞』大賞受賞者が3人いる

これだけでビビります。
もちろん他の賞の受賞者も、ごろごろいます(皆様ご存じのたらはさんもその一人ですね)。
本業の傍ら、舞台の脚本を書いている方もいます。
俳句やキャッチコピーの世界で、大きな賞を取っている人もいます。
最近では、東京・池袋で行われた「新作落語台本コンテスト」の最終候補に残った方もいます。

秋しば、マジでビビりました。
一度、SSG のコンテストに参加したベリショメンバーの中で、自分だけ(たぶん)落ちたことがありました。
今だから笑って話せますが、当時は正直、居たたまれなかったですね。

でもベリショの方々は、「実績で人を測る」ということを絶対にしません。受賞した方に素直な尊敬の念は持っていますが、ことさらに特別扱いするわけでもなく、また受賞実績がないからと言って見下すような真似をする人は、誰一人としていません。
おかげでいまだに籍を置かせて頂いています。

ベリショーズに入って、文字どおり見る風景が変わりました。
本当に「物書きの世界」に属している人たちを目の当たりにして、自分も真剣にこの先を目指そう!という気になりました。
この意識の変化は、とても大きかったと思います。
そのおかげで新たに長編を書いてみる気になり、その結果「初挑戦の長編が最終選考に残る」という僥倖に恵まれたのですから。

「どうせ無理に決まってる」

自分の中にこびりついたそんな考えを、思いっきり捨てさせてくれたお仲間のおかげで、今の自分がいると思っています。
つくづく、仲間とはありがたいものです。

よろしければ、ぜひこちらもご覧ください。

徒然なるままに書き連ねましたが、最後に来たる2023年の抱負をば。

えーと……

…………

あかん、まだまとまってない💦

でも、そうですね。
まず長・中編の数をもう少し増やしたいと思っています。
あと、来年こそ商業出版に手を掛けたい。
単著だったら最高ですが、さすがにちょっとハードルが高いですね(笑)
でも諦めはしません。そのつもりで書いていきます。

より現実的な目標としては、アンソロジーのような形で、他の方々と一緒に載せて頂けたらと思っています。
光文社文庫Yomeba 様では、あと一歩のところまで来ているのですが、その先がなかなか……。2023年はぜひ実現させたいところです。

ちなみに今日12月5日現在で、公募の結果待ちは11本あります。
(1つの公募に複数応募したものを含めて)
たぶん今月中に、あと2本は増えると思われます(笑)
いい結果が出るといいなあと、ぼんやり考えています。


子供の頃、ただ漠然と「自分の名前の本が出せたらいいな」と夢を見ていました。
自分の人生の中でも、最も大それた夢のひとつでした。

今を遡ること、数年前。まだ物を書く前のはなし。
これまでの目標と達成の可否を振り返ったことがあるのですが、この「本を出す」という夢は、さすがにもう叶うことはないだろうなと、その時は考えていました。

それが今やコレです。

人生は、ほんとうに、何が起こるか判らない。

だから怖くもあり、面白くもあるのだと思います。

ここまで読んで下さった皆様と共に、また来年も楽しく書いていければと思っています。
どうぞ皆様、それぞれにお体をご自愛下さいませ。
書くにはまず、体力が必要ですから(笑)

残る2022年12月、そして来たる2023年。

共に健やかで、また文運長久ならんことを。

心からの感謝と深い敬意を込めて。


2022年12月5日
秋田柴子

*最後までお読み下さり、ありがとうございました。





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