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秋田柴子
2023年2月9日 18:18
「よう、兄さん。待ちなよ」仕事帰りの雄司が疲れた体で振り返ると、薄汚れた身なりの老人が、既に日も暮れた道端で店を広げていた。怪しげな物売りかと素通りしかけると、後ろからしゃがれ声が追いかけてくる。「そう邪険にしなさんな。あんたは今、ちょいと毎日が辛いんじゃねえのかい?」思わずぎくりとして足が止まる。「ほうら、図星だ。顔と歩き方見てりゃ、それぐらいのことは判るさ。そんな兄さんにはうっ