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ミニバスの審判をやってみよう!

バスケ素人お父さんの挑戦

バスケ未経験のお父さんコーチにとって、ゲーム練習の時に「審判やってもらえませんか?」と言われるとドキッとします。恐らくバスケをやっていた人の中でも、審判をやったことがないという人が多いのでは思います。素人パパには、ルールも細かくは分かっている訳ではないのに「審判なんてできるのだろうか?」と不安に思うのか自然です。最初は「大丈夫、線を踏んだり、ヘルドボールになったり、明らかにファールだと思ったら笛を吹けば良いだけですよー」と言われて始めるのだと思います。
少し慣れてくると他のコーチから「審判の資格取りませんか?」と言われます。子供のスポーツに関わりたい、挑戦したい気持ちもありながら、公式戦で上手くできずに、おどおどしている自分も想像できて、不安になるも当然だと思います。僕も同じでした。

素人パパこそ、審判の資格を目指そう

バスケ素人のお父さんこそ、審判の資格に挑戦することをオススメします。一番の大きな理由は、挑戦して頑張っているお父さんの姿を見せられることです。これは、格好良いお父さんの姿ではないです。しかし、できないこと挑戦しているお父さんということが重要なのです。お父さんは、格好良くなくても良いから、挑戦して頑張っている姿の方が、見せるべき背中だと思うのです。子ども自身も、できないバスケを頑張っています。子供も頑張っている。パパも頑張っている。それが素敵だと思うんです。審判の資格を取れて喜んでいるお父さんをみて「おめでとう!」と言ってくれるでしょう。
お父さんの審判の挑戦によって、子供達に、頑張るということを伝えるられます。審判の資格を取るにはルールを覚えなければらなりません。審判の動作を覚えなければなりません。子供に向かって「勉強しなさい」と言うことがあると思いますが、その意味を伝えることができます。なりたい自分があって、今はできない自分がいる。その差分を埋めるために勉強する。お父さんがバスケの審判に挑戦することで、これを伝えられます。子供だから勉強するのではなく、大人になっても勉強することの意味を伝えられます。
そして、これはバスケ素人パパの特権でもあります。バスケをやっていたパパならば、子供から見ると審判ができて当たり前に思えます。その大変さが分かりません。しかも、試験に落ちると格好悪いので、バスケ経験者のお父さんは、意外と挑戦しない方も多いと思います。

ということで、ぜひ、バスケの審判に挑戦してください。

何から覚えるか?

ここからは、審判資格試験に向けて、何から覚えれば良いか? 何は後回しにしても良いか?を、僕の私見を書いておきます。
審判をやるからには、プレイヤーの子供達がいるので、当然、適当にはできません。審判委員会の方から見れば、最初から全て理解して挑むように!と言われると思います。しかし、最初から、全てができるようになろうと思うと、ビビって、挑戦できなくなってしまいます。そこで、審判の資格試験に挑むまでの練習で、何から練習しておくのが良いか?(ラクか?)について、書いておくことにします。

1.まずは笛と雰囲気

Short(短く)、Sharp(鋭く)、Strong(強く)3Sと覚えるように言われて、審判講習会の最初に練習をしました。確かに、これが一番重要かもしれません。審判の笛が、ぴょろろろーと貧弱なものだと、プレーが止まりませんし、子供達もベンチも審判に対して不信感を持ってしまいます。審判は多少自信なくても、審判としての役割のために自信のある雰囲気を醸し出す必要があります。その点で、笛が3Sで吹けることは重要なことだと思います。せっかくなので自信のある雰囲気繋がりですと、姿勢も大切だなと思います。胸を張って直立する。手を挙げる時は肘を曲げないで伸ばすなど、自信満々な雰囲気を出すことを最優先でやると良いと思います。(まぁ。最初から自信を持てと言われても無理なんですけどねー)

2.審判のポジション取り

ミニバスだと1つの試合に2人の審判が担当します。中学でも地区大会だと先生審判が2名で担当します。上位の試合だと3人の審判になることがありますが、この審判二人制(ツーパーソンシステム)が一般的だと思います。
基本的に下の図の様に動きます。右に攻める時は、青の人がエンドラインで、黄色の人がサイドラインにいます。逆に攻撃している時は、逆にになります。慣れれば、感覚的に分かるのですが、最初は意識しないと混乱します。また、違う位置に移動されると、相手の審判が混乱しますので、これを覚えましょう。尚、テーブルオフィシャルにファールをコールしたら、場所を入れ替わるのですが、間違ったとしても片方の審判が教えてくれますし、ゲームの進行には実害がないから、まずは、以下の場所を行ったり来たりするんだということだけ覚えておけば、大丈夫です。
まぁ、試合を見る時、審判に着目していればすぐに理解できると思います。

3.まずラインだけ見てれば良い

ぶっちゃけ、最初はファールなんて笛が吹けません。吹かなきゃいけないのですが、まずは、審判の動きに慣れるだけで精一杯です。トラベリングやダブルドリブルだって笛が吹けません。バスケをやっていたお父さんだったら違和感で笛が吹けますが、未経験者のお父さんは「ん?今のひょっとして」とは思うものの、なかなかタイムリーに笛が吹けません。今どきは、ゼロステップという新ルールもあるので、トラベリングは凄く難しいです。ベンチから「今のトラベリングだろ!?」と言われても、無視すれば、流れていきます。自信なく狼狽すると混乱の元になりますから、無視です。
しかし、ラインから出たかだけはしっかり見て笛を吹きましょう。線を踏んだかどうかは素人でも判断が付きます。子供達にとっても分かりますから、きっちり見て笛を吹いてあげましょう。ちなみに、各ラインは2人の審判で担当がありますので、担当外のラインの判断はしてはNGです。青の審判であれば、図の下側のサイドラインと、右側のエンドラインを担当します。黄色の審判は逆です。近くても相手の審判の担当のラインでボールが出たかどうかは判断してはいけません。気を効かせて吹くと逆に怒られます。
どっちのチームがボールを出したかも、分かり難いことがあります。これは、一生懸命見て判断するしかないです。間違っても仕方がないです。間違っても堂々として流しましょう。もう1つ、バスケは、空中にボールがある限りは、まだ出ていない主義ですので、ボールが完全にコートの外の床に付いたら笛を吹きましょう。同じく、間違っても堂々とすることに付きます。

4.ヘルドボールは早い目に

女子や低学年の試合で多いのですが、両方のチームの子がボールを持って取り合いになるシーンがあります。ボールがどちらの側にもでないと判断したら、ヘルドボールをコールします。これは、比較的早めに笛を吹いてあげることが良いと思っています。取り合いでは、少し乱暴なプレーがになりますので、試合の雰囲気が悪くならないように、早い目に笛を吹いて止めてあげるのが良いと思います。

5.マニュアルを熟読するしかない2つシーン

フリースローとジャンプボールは、ちょっと難しいです。ジャンプボールは試合中1回しかないので、慣れてきても「何もなく試合が始まってくれよー」と思っちゃいます。フリースローは、試合で10回ぐらいはあるでしょうから、致し方ありません。こういうケースは笛を吹いては駄目。こういうケースはサイドラインから再スタートなど、ちょっと複雑です。ここれは、レフリーマニュアルを熟読するしかないです。最初は、勘違いしたり周りから注意を受けながら、覚えて、審判資格試験までに、全てのケースを覚えましょう。僕も、ジャンプボールの全てのケースに冷静に笛が吹ける自信がないです。

6.ハンドサインは、すぐ覚えられる

ファールがあった時に、審判がテーブルオフィシャルに向かって「白5番、プッシング、2スロー」とか言ってハンドサインを使って伝達しています。これをレポーティングと呼びます。最初は、番号表現に混乱しますが、お子さんに見てもらって何度もやればすぐ覚えるでしょう。
ファールのジェスチャーは、どれがどれだか判断できない。ジェスチャーを覚えていない状況では、(本当は駄目ですが)一番、覚えやすいジェスチャーでレポートすれば良いでしょう。記録に残すものでもないので、許してもらえます。比較的、ブロンキングを多用する審判が多い気がしますね。個人的にはブロッキングは珍しい気がするのですが・・・

7.ファールは「事実」から

正直、最初は、確実にディフェンスの手がオフェンスの手に当った時だけ、笛を吹きましょう。それ以外は「微妙だった」ということにして見逃しましょう。心の中で「未熟な審判でごめんなさい」と謝りましょう。
ファールには、フレームワークがあって「事実」「責任」「影響」という段階があります。「事実」は、実際に接触があったのか?「責任」は、どちらのプレーがきっかけか?「影響」は、その接触によって悪影響を受けたか?という3段階で、その3つが成立して初めてファールなのですが、まぁ。最初は無理です。
とはいえ「事実」は最も重要だと思います。手を叩かずにボールを叩いただけなのにファールが吹かれることがあります。また、正直、審判の場所から見えない場所なのに、ファールが吹かれることがあります。これは「音」や「雰囲気」から判断したファールといえます。もちろん、それが正解の時もあるのですが、審判としては、見えている事実を意識するようにすることは重要です。見えにくいことがあるのですが、それは一生懸命に見る。見るために見やすい場所に動く。を意識しましょう。
で、「責任」「影響」は、試合経験を重ねて覚えしかありません。責任については「シリンダー」という概念があるのですが、バスケ未経験者には判断が付き難いです。ディンフェンスのブロッキングと、オフェンスのチャージングのファールは紙一重のファールです。これも「責任」です。「影響」については、更に難しいです。
多分ですが、相当の慣れた審判でも、今日のゲームは完璧に笛が吹けたと思うことはないのでは?と思います。そう思うと進歩が止まるというのもありますが、このファールは吹かなくても良かったなーとか思うことあると思いますので、日々是精進なんだと思います。

8.シュート・ファールを見分けるのも厳しい

最初は、上記の様にファールをみるだけでも、心がいっぱいなはずです。なんとかファールの笛を吹いたら、今のファールはシュート前?シュートモーション?も判断しなければなりません。更に、ファールをテーブルオフィシャルにレポーティングしなけれならないので、何番の選手のファールで、ブロッキングは、こういうサインで・・と考えていると、ファールのシーンを忘れてしまうことがあります。背番号が大きい数字のチームは、84番ってどうやってやるんだっけ?とか考えちゃうと、記憶喪失になります。
ファールを吹いた瞬間に、シュート前なのか?シュート中なのか?を相手審判に伝えられれば良いのですが、まぁ。見分けるのも難しい中で、最初はそんな余裕はないでしょう。ということで、ファールされた後にボールを投げていたら、基本シュート・ファールとしちゃいましょう。(本当はちゃんとみなきゃ駄目ですよ。でも仕方がないです。)審判の不甲斐なさで点が消えてしまうよりは、点が入ったほうが良いということで、ごめんなさい!と心の中で叫びましょう。

やっぱり最後は覚悟

本当は、視野分担の話や、審判4原則(①オールウェイズ・ムービング、②ボクシング・イン、③スペース・ウォッチング、④ペネトレーション)とかめちゃくちゃ大事だと思います。上級になると、フィール・ザ・ゲームとか言われます。でも、ここでは、バスケ素人のお父さんが審判やろうとしたら、こんなぐらいの気持ちで始めたら良いよーというメッセージで書きました。

もちろん、子供達の試合運営の責任をもっていますので、より正確に、より正しい審判ができるように頑張る必要があります。でも、誰も審判をしてくれないと、子供達も試合ができないのは現実なので、審判をやってみようかな?と思うお父さんが増えたらなーと思って書きました。

僕も、審判をすると上級の方に怒られてばかりなので、本当に、毎回ごめんなさいと思うわけですが、それでも、一番重要なのは、一番最初に書いた堂々とした態度なんだと思います。一度、久しぶりに審判をやることがあって、ちょっと自信なかった時がありました。自分なりに笛も弱く、どっちだっけ?と混乱することが数回ありました。そしたら、子供達も、ベンチも、父母も審判の信頼がなくなってしまい、試合が荒れていきました。審判への野次もありました。いろいろ思うところもあったのですが、やはり、審判が堂々として、ジャッジしていかないと駄目だと痛感しました。正確にジャッジし続けることは永遠の目標。でも、試合を整える。円滑に進める責任は審判にあるので、これは審判の覚悟の問題だと思いました。以降、なんか言われても「次に何か言ってきたら、テクニカルファール吹きますよ」と心の中でつぶやきながら、無視して、姿勢良く胸を張って、試合に集中するようにしています。

ぜひ、お子さんがミニバスを始めたら、審判に挑戦してみてください。

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