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河津への旅 - 失うものがあれば、得られるものもある!

コロナ禍による自粛生活もほぼ1年半になる。

6月20日、3回目の緊急事態宣言の解除をうけてこの6月末、思いきって伊豆半島の河津に出かけた。

河津への旅は、1年半ぶりである。

横浜から、踊り号の新型車両サプールで、ほぼ2時間弱、河津に到着、時節柄、車内は空いていて、とても快適であった。

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河津の駅舎を出たところに川端康成の小説で有名な「伊豆の踊子」の像が立っている。

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河津町は、伊豆半島の南端に近い東海岸に位置し、東は東伊豆町、北は天城山を境に伊豆市、南は下田市に接し、太平洋に面した人口約7千人弱の町である。

例年、1月~3月となると早咲きの桜として知られる河津桜が見頃を迎える。

河津桜は、河津のシンボル的存在で、町の重要な観光資源とのこと、中でも河津川堤防道路沿いの桜並木は、 毎年 100 万人近い観光客が訪れる「河津桜まつり」のメイン会場として、重要な位置を占めているそうである。

私は、河津桜の美しさはとても好きなのだが、人の多さや混雑が苦手なので、この地を訪れるのは、12月や6月といったオフシーズンが多くなってしまう。

従って、華麗な河津桜は楽しめないが、河津桜の木が立ち並んでいる河津川の堤防沿いを散策するのが、河津を訪れる大きな楽しみのひとつである。

心地いい川風に吹かれながらの川沿いの散策にとても癒されるのである。

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二つ目の楽しみは、奈良時代に発見され1200年以上の歴史を有するという河津の峰温泉。

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ここのホテルで大正時代に創業した玉峰館という宿への宿泊である。

部屋付露天風呂の湯質と風呂の広さにいつも感動している。

静寂な空気の中で、露天風呂につかりながら、空を眺めると、桜の木を始めとする木々の緑が、日常の疲れを癒してくれるのである。

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三つ目の楽しみは、玉峰館での食事である。

食材の新鮮さ等の質はもちろんであるが、その食材を使用した創作日本料理が本当に美味しいのである。

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私にとって河津への旅は、新しい発見や出会いというよりも、まさに気分の転換そのものである。

コロナ禍により、大きく変わってしまった私の仕事の状況、そして妻の突然の事故死で独り旅の人生となり、孤独感の強い昨今の日々、加えて1年半以上にわたる自粛生活等で、つい落ち込みがちな私の気持ちを自然に癒してくれる場、それが私にとっての河津への旅であり、今回もまさにそれがねらいであった。

然るに、6月末という季節柄もあったが、あいにくの大雨により、熱海での土石流の発生や河川の氾濫等で電車が不通となり、また、高速道路の通行止め等により、帰宅できなくなってしまい、3泊4日の旅程を止む無く、延泊せざるを得なくなってまった。

宿の予約状況が、満室であったものの、この災害によって宿泊のキャンセルが発生し、延泊できたのがせめてもの幸運であった。

旅でも人生でも仕事でも時として、我々は、予期せざることや不測の事態に遭遇してしまう。

そうすると、今回の私はまさにそうであったが、ついその生じた不測の事態を嘆いたり、不満を鳴らしたりしてしまいがちである。

然しながら、考えてみると、突然の大雨による土石流の発生などで命を落とした人、家を流されてしまった人等も全くの不測の事態に遭遇してしまったということである。

そのような人達からみたら、私の予定外の延泊などの事態は、全く論外であろう。

自分に生じた事態を、他の何と比較してその程度を判断するのか、自分の器の小ささや心の狭さ等も含めていろいろと気づかされることが、多かった河津への旅であった。

遭遇した不測の事態に最善の対処をしていると、その一方で別の何か新たな発見や得られるものがあるように思えてならない。

まさに失うものあれば、得られるものがあるということであろう。

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