「ONE PIECE FILM RED」観た。

監督:谷口悟朗
声:田中真弓、名塚佳織、Ado、津田健次郎、池田秀一 ほか
上映時間:115分 公式サイト


劇場版「ONE PIECE」第15作。


歌姫「ウタ」をめぐる物語。


歌姫だけあってストーリーに占める歌の比重が大きく、まるでライブ鑑賞しているような臨場感。
それぞれの楽曲に合わせた演出も冴えていてカッコ良かった。


ウタの作戦が見えてくる終盤は大混乱。
今までのワンピースになかった世界が目に飛び込んできて、ぐいぐいと引き込まれる。


海軍はムジカを知っていたのなら確保するなり処分するなりしとけよ。


見聞色を発揮しての同時攻撃が熱い!!


出会えたご縁つながりの愛の鞭にちょっと涙腺が。


シャンクスかっけー!
出番が多い!
キャラデザは劇画っぽい。


ルフィの海賊王になる夢や新時代の理想をウタに伝えてあげてほしかったな。


タイトル「RED」はいまひとつピンと来なかった。

キャラを多く出し過ぎ。ビッグマム海賊団は余計だったような。
麦わらの一味とウタ、赤髪海賊団に絞ってもよかったんじゃないか。


ウタのビジュアルも含めてキャラ造形が良い。

無邪気、孤独、カリスマ性、こじらせ、狂気。
そういった多面的な表情をシーンごとに見せて、彼女の行動に注目させるパワーがあった。

ただ内面掘り下げは甘い。

「巻四十億〝RED〟」の通りに描いてくれていたら、ちゃんとドラマになっていたのに。

回想パートもっと長めにしっかり描きこめば、ウタとルフィの幼なじみエピソード、シャンクスとの絆、ウタにたいするゴードンの思い、トットムジカの危険性をちゃんと伝えられたはず・・・。

ボイスアクトは名塚佳織で、歌唱パートはAdoが担当。

歌はもちろん最高。
なんだけど、歌声がAdoそのままに聞こえてしまい結果ウタの歌声としての説得力には欠けた印象。

「パリピ孔明」もダブルキャストだけど、喋り声と歌声がマッチしていて違和感なかった。


ウタは魅力あるキャラだったのに、ドラマパートが甘くて生かしきれておらず、もったいないなぁと。


弱きものが犠牲になる世の中への恨み、海賊や権力者への憎しみを、天性の歌唱力を利用して世界を変えようと動いたウタ。

その歌は残る。きっとずっと。






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