「碁盤斬り」観た。

監督:白石和彌
出演:草なぎ剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、斎藤工、小泉今日子、市村正親、國村隼ほか
上映時間:129分

古典落語「柳田格之進」をモチーフにした時代劇。


真贋を見抜く目利きでいなきゃ!

お仕置きのシーンめっちゃ怖かった。(客人に聞こえないようにしろよ)


あれ?と思う編集。
・大晦日と出した次のシーンで昼間。年明けやん。
・「しばらく戻らぬ」次のシーンで帰宅。


長兵衛が、その後を部下に聞き取らせて顛末を記し落語に仕立てたのかな。


世知辛さが身近な世で、いつも覚悟を胸に生きている柳田格之進と絹の父娘を、草なぎ剛と清原果耶が安定感抜群に表現。

世渡りの辛さを、凄みと哀愁で存在感を示す柳田格之進。
絹に辛い思いをさせてしまった気持ちを抱えて旅立つ後ろ姿が余韻深い。

囲碁を好むにしては先の見通し、大局観が甘く見えたが・・・。
そのせいで死活問題やん・・・。

そんな父親の性格を理解して支えるお絹。
出番は多くないが確実に美しい気骨を焼き付けていた。

清原果耶と時代劇の相性の良さは「あさが来た」「蛍草」で証明済み。


あの時代、身に覚えのないことで窮した人が多かったのだろうな・・・。
調べものが緩いし・・・。

だからこその義理人情。
人の優しさもたしかに存在した。

その温もりを伝えるお庚さん。
「薬屋のひとりごと」緑青館やり手婆のような小泉今日子が好演。


白石監督はこの作品が初の時代劇。
人物像の陰影を重厚に描き出していた。
刀に意思を込めて命を浮き彫りにする迫り合いの重さが特に印象的。
これからも時代劇を撮ってほしい。




この記事が参加している募集

#映画感想文

67,333件

サポートしていただけたら嬉しいです。(小声)