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【実写レビュー】周ノクチで桜ポートレート撮影したら他と一線を画す描写力だった!日本とソ連のオールドレンズとも比較
ライカの歴史的な銘玉と言われる1966年登場の「NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.」を、現代技術で復刻した「LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.(通称・周ノクチ)」で桜ポートレート撮影しました。
今年は桜の開花が遅かったのもあって、長崎の桜の名所で撮影したのは4月頭だったのですが、満開というベストタイミング。周ノクチを使ったロケでのポートレート撮影は初めてだったので、オリジナルと同年代に登場した同じくマニュアルのオールドレンズ2本とも撮り比べました。全てF値開放での比較です。自然光のみ、レフ板なども使用していません。レビューに関しては先立ってスナップ撮影編もご覧ください。
<レビューをご覧の上での注意点>
ボディ:SONY α7RⅤ(電子接点がないので、F値やシャッタースピードはうろ覚えです)
・オリジナルを使ったことがないので、比較ができない
・個体差があるかもしれず、私の周ノクチでの分析結果に過ぎない
・私のマニュアルレンズ習熟度での描写だということ
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LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.(周ノクチ)
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滲み強いのと背景のボケに輪郭がないのが特徴のレンズです。スタジオよりも自然光や環境光が多い場所で真価を発揮すると感じました。特に花びらのような背景だと開放で撮影すると不自然ではないグルグルボケを見せてくれました。
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ただし、開放時は滲みが強くてピントが合っているかの判断がしにくいです。被写体との距離が離れすぎると、ピントを合わせるのにも限界があるのかもしれず、適度に絞っても良かったかもしれません。フル開放だと桜だと分かりづらいですし。
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ただ、この絵力は目にした瞬間にハッとさせられます。独特の空気感を描写できていると感じます。
Re Auto Topcor 58mm f1.4
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1963年に東京光学から発売されたレンズ。現在、東京光学はトプコンと社名変更しており、カメラ市場から撤退しています。こちらは同社が開発した中でも傑作と言われる銘玉です。こちらのレンズはオールドレンズ専門店「フォトベルゼ」で紹介され、描写の美しさに感動して即決しました。状態が良いもので5万円くらいです。エキザクタマウントアダプターが対応しています。マウントアダプターは海外メーカーの種類が多いですが、個人的には日本産のRAYQUAL(レイクォール)が品質面と対応面合わせて良かったのでお勧めします。
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開放時のシルクのような滑らかなボケ、絞り込めば1963年代誕生とは思えないほど解像度の高さが特徴です。ボケの輪郭が残っているので、周ノクチと比べると桜だと分かりやすいですね。
Jupiter-9 85mm F2
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オールドレンズ入門者向けに真っ先に名前が上がる海外のレンズといえば、旧ソ連のジュピターシリーズだと思います。第2次大戦前にドイツで作られていたカールツァイス製ゾナーをコピーして作られており、廉価に入手可能となりました。
中でもJupiter-9 85mm F2は、ポートレート撮影に向いた銘玉として知られています。M42マウント対応。私が持っているのは製造番号を見る限り、1990年の後期型です。状態が良いものなら3万円くらいで買えるのですが、私はメルカリで落札した後にオーバーホールで5万円くらいかかってしまいました。やはり、カビていないか、ピントリングがしっかり回るかなど、ネット上では判断が難しいので、専門店で購入するのがお勧めです。
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自然なボケの美しさとカールツアイスらしいシャープな写りが特徴です。ただ、こちらも被写体から離れすぎると開放時は滲みが見られました。上半身くらいまで寄ると改善されています。輪郭を残したナチュラルなボケ味なので、被写体と背景が近づきすぎると桜だとは判別が難しくなりますね。フィルムライク感はこちらが一番あると感じました。
まとめ
周ノクチは輪郭がなくなる、環境によってはぐるぐる回るボケだけを見ると、他の2本よりもクセが強いと感じました。ボケが綺麗なレンズを求める人だと、この描写は好きじゃないかもしれません。ただし、一枚の絵作りとして見た時に、独特の空気感を切り出していて、なかなか真似できない写真に仕上がっていると感じました。引き続き検証を進めます。
周ノクチの桜撮影の様子は動画にも公開しているので、そちらのチェックもよろしくお願いします。
長崎の撮影スポット情報は山下農園(X:@kinkai_yama)さんをチェック!
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