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【実写レビュー】周ノクチはかなりのクセ玉!?見せて貰おうか、約500万円のレンズを復刻した性能とやらを


オリジナルを忠実に再現した重厚感あふれる鏡筒は所有欲を満たしてくれる。ブラックペイント(真鍮)は 約550g

ライカの歴史的な銘玉と言われる1966年登場の「NOCTILUX M 50mm F1.2 ASPH.」を、現代技術で復刻した「LIGHT LENS LAB M NOCTILUCENT 50mm f/1.2 ASPH.(通称・周ノクチ)」を購入しました。

「LIGHT LENS LAB」は中国の投資家・周さんが立ち上げたメーカーで、入手困難となった歴史的な銘玉を当時と限りなく近い材料と製法で復刻するメーカーとして近年注目を集めています。

現在は焦点工房さんでのみ?予約販売を受け付中。、私が購入したブラックペイント(真鍮)は予約金と合わせて36万9000円と、これまでの中華レンズと比べてもかなり高額な印象ですが、オリジナルが約500万円、ライカが最近復刻したのが約113万円と考えれば、非常にお買い得です。

周ノクチは当時のガラス材まで再現し、ガラスが変質しないよう古典的な高温研削で加工。また、非球面レンズは72時間以上かけて手作業で研磨しています。光学的特性はオリジナルの個性を維持しつつ、わずかに性能を向上させ、より使いやすいレンズとして製品化されました。

一方で、手作業のために恐らくは、個体差もあるのではないでしょうか?私は
2024年3月11日に届いてから、スナップ、ポートレート、コスプレと使ってきましたが、まだまだだ検証が必要だと感じています。今回はファーストインプレッションということで、浅草(東京)、上野(東京)、海の中道公園(福岡)でスナップ撮影してきた所感をまとめました。

あくまで個人の感想ということで、下記をご了承ください。

ボディ:SONY α7RⅤ(電子接点がないので、F値やシャッタースピードはうろ覚えです)

・オリジナルを使ったことがないので、比較ができない
・個体差があるかもしれず、私の周ノクチでの分析結果に過ぎない
・私のマニュアルレンズ習熟度での描写だということ


滲みが強いので開放時でのピント合わせが大変

海の中道公園。F1.2開放/四隅がケラれたかのような周辺減光はオリジナルを忠実に再現した結果らしい

マニュアルレンズとしての習熟度がかなり求められるクセ玉です。私も複数のマニュアルレンズを使ってきましたが、シャープな描写のレンズはピントが合わせやすいのに対し、周ノクチは柔らかい描写が持ち味なので、開放時のピント合わせがかなり厳しいです。また、滲みも特性?なので、開放時だと被写体が滲むために、ピントが合っているかの判断がつきにくかったです。F1.2での開放時の滲みが結構大きく感じてられ(これがデフォルトなのか、個体差によるものなのかはまだ不明)、F4くらいまで絞ると滲みが落ち着いてきました。
ちなみに、
フレアはそんなに発生しやすいとは感じず、控えめな印象です。

浅草・スカイツリーと桜。F1.2開放/甘い描写なので金属を撮影してもパキッとならない。滲みが感じられるものの、芯は残っている感じはする
浅草・スカイツリーと桜。F5〜8くらい?/夜の長時間露光撮影

それでも滲みによる描写が空気感すら美しく切り取る

この独特の滲みが周ノクチの持ち味な気がしました。コントラストは決して高くなく、全体的に甘い描写なんですが、芯が残っていて美しく、独自の空気感切り出しています。開放時のピントがもう少しだけ滲まないと良いなとは思うんですが、この辺りも私の習熟度合いによって感想が変わるのでしょうか。


レンズセットに含まれるND4の減光フィルター
レンズセットに含まれるUVフィルター内蔵のレンズフード

レンズセットには、ND4の減光フィルター、UVフィルター内蔵のレンズフードが付きます(UVフィルター内蔵のレンズフードは保護フィルターなどと併用しても問題ないらしい?)。
ただ、昼間はND4じゃ足りないと感じて、ND2-64の可変式NDフィルターを購入して使うようになりました。やはり、桜撮影では開放時の白飛びで顕著な差を感じました。

海の中道公園・桜/F1.2開放(NDフィルターあり)
海の中道公園・桜/F1.2開放(NDフィルターあり)
海の中道公園・鯉/F1.2開放(NDフィルターあり)
海の中道公園・ネモフィラ/F1.2開放(NDフィルターあり)

夜景の開放撮影はフィルムライク感あり?

太陽や周辺の環境光があって活きるレンズだと感じました。また次の機会にレビューしますが、ポートレート撮影時にスタジオでストロボ発光の撮影は今のところ、良い感触がありませんでした。
なので、夜の街でのF値開放撮影はとても楽しかったです。夜のスナップ撮影だと滲みがよりいい雰囲気を発揮している気がしましたし、ピント合わせもそこまでシビアに求められない?から、フィルムライク感もあってよかったです。

上野・アメ横/F1.2開放
上野・アメ横/F1.2開放
上野・アメ横/F1.2開放

私の場合は人物撮影がメインになるので、開放付近での滲み、ピントの度合いについてもう少し検証を続けたいと思います。自分の中でデフォルトのラインがまだはっきりしていません。ただ、この滲みによる独特の空気感は美しいなと感じました。描写は結構好きになりつつあります。続報をご期待ください。

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