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超初期の子宮頸がんになった話 その2

その1はこちら

土日が明けて月曜の9時が手術だった。
手術台に乗せられて、なんてことはなく、
ベッドで写真のような靴下を履いて歩いて向かった。

麻酔が効いて1日寝っぱなしになるので、
エコノミー症候群を防ぐためのものらしい。
この穴はなんですか?って聞いたら「肌とか爪の色を確認できるように」
とのこと。ふむ。

手術台に自分で寝て、まずは麻酔が打たれる。
下半身麻酔が痛いらしく、そのための部分麻酔をしてから
麻酔を打った。痛かった記憶はない。
しばらくすると、私の下半身は石になっていった。

上半身は動くので、手で下半身を触ったが本当になんの感覚もない。
「すごい!!石や!!」」
足は開かれ、手術台が揺れるくらい雑に下半身を消毒されている。
なのに、なんの感覚もない。ゆれてるわあ。くらい。
もはや感覚がないことに感動していた。麻酔すご!
声に出さずとも興奮していたら、看護婦さんに声をかけられた。

「みうらさん、大丈夫?」
「あっ、ハイ、いやなんか…テンション上がってます!!」
「…め、珍しいね…?」

若干困惑されたがテンションは上がりっぱなし。
「じゃあ、今から点滴に眠くなるお薬入れますね」
「はい!」

…………気づいたら、主治医に肩をたたかれていた。
「みうらさん!みうらさん!終わったよ!これ!取ったやつね!」

朦朧とした意識の中で、フィルムケースのようなものに入れられた
たぶん私の一部だったものがちらりと見えた。
いやむしろケースしか見えなかった気がする。

知らないうちに1時間弱が経っていた。
薬は1日残るようで、あとは泥のように眠った記憶。
付き添いのため地元から来た兄は昼過ぎに帰った(薄情すぎて笑った)。

完全に覚醒したのは、次の日の朝である。
麻酔ってこんなに効くんや。手術後ってこんな感じなんや…。

そしてそのあとは尿管を抜く作業である。
気持ち悪すぎてやっぱり貧血になった。
もちろん、そのあとのトイレはとても痛かった。

でも、もう歩けたし、痛くもなんともなかった。
本当に手術したんだろうか…と不思議だった。

術後のはなしはまたあとで。

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