時はみなしご


机上の空論を
くるくる弄ぶ
もしも願いが叶うなら
いちばんに掃除用具を
飾り付けてやろう

目白駅の鼻白む景色は
弁証法とはほど遠い
みな俯きがちに列車へ急ぐ
ここから南へ行くと
焦土だとでもいうように

迷路は終わらない
空襲はいつも頭上に
予感が景色をひろげて
くつろやかな陽射しに透かし見る彫刻
産みの苦しみ
産み育てられる苦しみと
ふたつながらひとつに
溶け合って雲のした
ああ時はみなしご
いま海は荒れ

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