見出し画像

スペースマーケットを通じて実現したいこと

こんにちは。スペースマーケットの齋藤です。年が明けたと思ったら早いものでもう2月になりますね。寒さに弱いので早く暖かくなってほしいものです。さて今回はスペースマーケットを通じて実現したいことについて、自身の目標やスペースマーケットの事業説明を交えて書きたいと思います。

自身が達成したいこと

私はこれまでの人生の中で「テクノロジーの進化により人々の暮らしが変革する」という事象を幾度か目の当たりにしてきました。事象については後述しますが、これらを体験したことでテクノロジーが与えるインパクトの大きさに強く惹かれるようになりました。そして自身も深くその進化に携わることで少しでも世の中にとって価値を提供できるようになりたいと考えるようになりました。

「テクノロジーの進化により人々の暮らしが変革する」事象について、初めて感じたのがインターネットでした。当時、私は中学生で知的好奇心を満たすインプットは、テレビや雑誌、友人などコミュニティを通じた手段しかありませんでした。そこからインターネットの登場により情報量が格段に増えたことはもちろん、マスメディアやローカル コミュニティのバイアスを超えた情報に触れられるようになったことで、それまで自分が思っていた以上に価値観は千差万別であり、自身の視野の狭さに気付かされました。またインターネットの特徴として当時話題になりましたが、情報の流れが双方向であることを、黎明期に盛んであった BBS やチャットなどと通じて体感し、テクノロジーの進化(といっても当時は単純によくわからないけどすごい、という感覚でしたが)に大きな衝撃を受けました。つまり価値観の多様性に気づいたことにより既成概念は取り巻く環境により簡単に変わること、そして環境はテクノロジーの進化によって一変する、と考えるようになったのです(振り返るとあたりまえのことですが中学生の私には衝撃的でした)。

その後も以下のような様々な事象を体験したことでテクノロジーに対する思いが確信に変わりました。

・Google の登場によるインターネットから得られる情報の変化
・Gmail などインターネットを通じて提供されるサービス概念の変化
・デバイスの性能向上により取り扱えるコンテンツが文字や静止画
から
 音楽や動画などのリッチ コンテンツに変化
・通信技術の発展によりコンテンツの変化が
インターネットに波及
・SNS の台頭により情報発信の双方向性がさらに加速
など

これらの体験を経たことで私の目標は、テクノロジーの発展に取り組み、その成果を世の中に適合する形でアウトプットすることで、より豊かな社会の実現に貢献する、というものになりました。

スペースマーケットの事業について

スペースマーケットでは、スペースシェアをあたりまえの選択肢にすることで人々の発想を広げ、多様なチャレンジを生み出し、世の中を面白くする、という Vision / Mission に掲げており、その一環として、場所を所有するのではなく、必要な時に必要な時間だけ目的に沿った空間を簡単に貸し借りすることができるプラットフォームを提供しています。

これまでもスポーツ施設や遊技場のように、事業者が特定のサービスを提供する過程で場所を貸し出すことはありましたが、当社の場合は様々な目的で利用できる場所を個人、法人を問わず、貸すことも借りることもできる場を提供しているところが大きな特徴となります。具体的には日常的に利用できる会議室やスタジオから非日常を体験できる古民家や無人島まで、バリエーションに富んだ場所を貸し借りされています。またこのように多種多様な場所を、必要な時に必要な時間だけ利用できるプラットフォームが土台となり、インドア花見®️や間借りカレー、古民家再生など、スペース シェアの新たな利活用、そしてチャレンジを生み出す土壌になっています。

スペースマーケットを通じて実現したいこと

スペースマーケットの事業はそれ自体が不動産の利活用に対するパラダイム シフトを推進しており、そこから生み出される利便性や柔軟性、体験の変化などは生活や仕事の在り方を変えるインパクトがあると考えます。これだけでも意義深いと思いますが、まだ社会インフラとして世の中に浸透し、スペース シェアをあたりまえにする、という Mission の達成までには至っていません。

Mission 達成に向けてさらなる成長を遂げるには様々な要因があり、戦略的にアクションを取っていくべきですが、プラットフォームを通じて顧客に提供する価値を創造していくことは重要な一つと考えます。

カール・アルブレヒトという著名な経営コンサルタントが著書「サービス・マネジメント」の中で顧客価値について述べており、以下のような「価値の4段階」について定義しています。

1. 基本価値:必要不可欠な価値。提供されなければクレームや取引中止に
2. 期待価値:当然に期待される価値。
提供されなければリピートしない
3. 願望価値
:実現すれば高く評価される価値。提供されずとも不満でない
4. 予想外価値
:予想をはるかに超える価値。感動を与え、口コミが生まれる

1 段階から順に価値の段階が上がっていきますが、少なくとも 3 段階以上の価値を提供できていないと成長につながらないことがうかがえます。

ではスペースマーケットの事業において顧客価値を創造するには何が必要でしょうか。プロダクトの機能・品質・デザインや、サービス品質を担保する運営体制はもちろん重要です。しかしながら今回はテクノロジーにフォーカスしているため、技術を起点とした顧客価値について述べます。

スペースマーケットに限らずどのようなサービスであっても、安定稼働を担保するシステム インフラが必要不可欠です。可用性やパフォーマンス、セキュリティのいずれかが一定のレベルを下回ると簡単にユーザーは離れていきます。また事業成長とともに当然トランザクションも増加するため、断続的にアーキテクチャを見直しながらスケーラビリティを担保しなければなりません。

安定稼働するシステム インフラの重要性について述べましたが、あってあたりまえであるべき領域でもあります。「価値の4段階」に立ち戻るとつまりは 1 ~ 2 段階の価値となるのです。ただし誤解を生んではいけないので繰り返しとなりますが、3 ~ 4 段階の土台となる価値であり、重要なことには変わりありません。

それでは 3 ~ 4 段階の価値はどうすれば築けるのでしょうか。例えばゲスト(ここではエンド ユーザー)がスペースマーケットのプラットフォームを利用する場合、用途と合致するスペースを素早く・簡単に見つけることができる、見つけたスペースを利用するまでの手続きや関係者との調整がスムーズにできる、優れた利用体験(用途と合致したデザインや機能性、利便性など)などを、顧客の想像を超える水準で提供できれば実現できるのではないでしょうか。

幾分抽象的なので、もう少し具体的な例に挙げてみます。

・スペースマーケットにアクセスすると借りたいスペースが高い精度で
 推薦される(レコメンデーション)
・パーソナライズ技術に基づき、ゲストが重要視する要素を自動的に
 ピックアップする(間取りや内装、設備、アクセス性、周辺施設など)
・ピックアップした要素に対して VR など豊かな表現を駆使してわかり
 やすく説明が入る
・推薦と異なるスペースを希望する場合はコンシェルジュのようなフィール
 で Bot と対話して探すことができる
・スペースが決まれば、これまでの決済履歴をもとにワンタッチで予約
 ができる
・ホストや共同利用者との調整は使い慣れたコミュニケーション ツールと
 シームレスに連携して行える
など

あくまでテクノロジーの活用例であり、全てこの通り実現するわけではありません。ここで述べたかったのは新たな技術を次々と開発し、様々な価値を生み出していくことで「願望価値」や「予想外価値」を実現するということです。

今後の取り組みについて

テクノロジーの活用については下記のように大きく分けて 1 ~ 4 の選択肢があると考えます。このうち 1 に近いほどコントロールできる幅が広く、事業特性に応じたカスタマイズや技術蓄積による高度化で効果を高められる可能性が上がります。また他事業に展開する場合に応用できる副次的なメリットも生まれます。しかし初期導入までの時間が長くなることや、そもそもの技術不足で要件を満たす成果を残せないというデメリットもあります。

1. 基礎技術から応用技術までを自社で開発
2. 既存の基礎技術を活用して応用技術を自社で開発
3. ソリューションとして提供されている応用技術を利用して開発
4. 当該技術を専門的に取り組む企業へ外注

当社においては現時点での開発力を鑑みて 3 を中心にプロダクトへの組み込みを進めつつ、ソリューションだけではカバーできない領域を中心に 2 へ移行していく形で技術を蓄積していくことを考えています。4 については初期導入のスピードや一定の品質を確保しやすいメリットがあるものの、社内への技術蓄積が難しくメリットの享受が一過性であり、長期的な投資対効果が低いと考えて除外しています。

このような方針で技術開発を推進しようと考えていますが、課題は山積しています。課題についてもう少し掘り下げようと考えていたのですが、記事が長くなってしまったので別の機会にしたいと思います。

当社が運営するプラットフォーム

最後に

私たちはスペースシェアをあたりまえの選択肢にすることで人々の発想を広げ、多様なチャレンジを生み出し、世の中を面白くしたいと考えています。その一環としてあらゆるスペースを簡単に貸し借りできるプラットフォームを運営しており、社会インフラ化を目指したさらなる発展に一緒に取り組んでくれるエンジニアを募集しています。少しでもご興味いただけましたら、ぜひ以下のリンクからご確認ください。


この記事が参加している募集

オープン社内報

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?