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へんてこな音楽の教科書。

こんばんは。松川です。偶然にも最近の小学生の音楽の教科書を知りまして。ずっと楽器を習っていた私としては、もはや凶器というか、狂気を感じる…。配慮の結果、誰にも優しくないという…。

おかしな配慮が、全員に優しくない。残念な結果。

なんでこんな分かりづらいのかな?
おそらく全員にわかりやすく「配慮」した結果、全員に分かりづらくなってしまった例ではないでしょうか…。

ここで取り上げられている音楽の教科書は、センスがまーるでなくて驚いた…。この教科書を作った人の頭の中は、どんな感じになっているのかな…。少なくとも、私とは真逆の感性なんだろうけど。こんなの楽器習っている子にしてみれば、迷惑だし、楽器習っていない子だって分かりづらいでしょうに。京都女子大のコメントでは、改善が望まれる的なこと書いてあるけど、改善もなにも、小学生なら、普通に従来からのピアノの楽譜(バイエル程度)で十分理解できるんだが…。何を余計なことしているのか、ちょっと理解ができない。特に下記の楽譜。情報過多で、何が言いたいのかさっぱりわからないし、実際私が小学生だったら、「なにこれ」と言ってたでしょう。普通にピアノの楽譜くれよって感じですよね。ごちゃごちゃしてて見づらい。

<出典元:教育出版社 小学校音楽デジタル教科書に関する考察>http://www.ongakukyouiku.com/research/2014/kyoshutsu.html

驚きポイント

1)なぜ五線紙じゃないんだろう。
2)なんで4分音符じゃないんだろう。同じく4分休符じゃないんだろう。
3)なんで、ピンクの色が塗ってあるんだろう。
4)歌詞と音の発音の文字がなんで両方ともひらがななんだろう。
5)どうして「ド」に「1」と運指を書かないんだろう。というか「ソ」と「ラ」にこそ運指を書くべきなのに。

驚きポイントにもう少しツッコミを入れてみたい。

1)なぜ五線紙じゃないんだろう。
音が最大で5音しかないなら、百歩譲って、理解できるけど、ピアノ風に言えば、鍵のドがあるのに、なぜ五線紙じゃないんだろう。だって、線追加してますよ?もちろん、色んなタイプの楽譜があるのは事実だけど、公立の小学校で習う範囲で言えば、五線紙で十分なんだから、最初から五線紙のほうがいいと思うんだよね。これ、せっかく三線紙?で慣れたところで、翌年には、線が増えたら分かりづらいでしょうに。余計なつまづきが増えると思うんだよね…。正直センスがない。ちなみに、幼稚園生でも五線紙はちゃんと理解できますよ。

2)なんで4分音符じゃないんだろう。同じく4分休符じゃないんだろう。
これも同じ。結局4分音符とか4分休符を覚えるならば、別の記号を入れて、1年生のときは○、2年生になったから記号を変えます。とかアホなことやめたほうがいいと思う。例えばだけど「松川明良」という名前で「松川明ら」と書かせるのと同じぐらいバカな行為。小学校ってなんでこういうアホなこと未だにやらせているんだろうね。謎。ちなみに、幼稚園生でも自分の名前ぐらいはかけますよ。仮にですが、松川亞葵樂とかでも、たぶんかけると思う。実際には書けたとしても、バランス悪いかもしれないし、もしも書けなければ、松川アキラとでも書けばいいのに。本当に融通がきかない人たちだよね。大人が思っているよりも、子供はずっと賢いですよ。4分音符も4分休符も理解できるし、書けますよ。もしも書けない子がいたら、そのときに配慮してあげればいいだけじゃないのかな?

ついでに…、あった、あった。「小学校2年 めざせ楽き名人」って記載。これじゃ意味わからないよね。漢字の機能を考えれば「小学校2年 めざせ楽器名人」としてあげるほうがわかりやすいし「小学校2年 目指せ楽器名人」の方が更にわかりやすい。習っていない漢字を使うことは大罪として教えている小学校の先生たちは、もう少しだけ頭柔らかくしたほうがいいと思う。普通になんか本なり漫画読んでたら、小学校で習う範囲以上の漢字を読んでますよ。読むだけなら、結構できるもんだよ。もちろん、サポートが必要な子がいれば、サポートが必要だけど、それってクラスで何人いるの?逆に「楽き」と書かれることで「がっき」と読めない子は放置?「らくき」?「ラッキー」?意味わかんないよ。普通に「楽器」と読めるよ。

3)なんで、ピンクの色が塗ってあるんだろう。
これも意味不明。鍵のドとレの背景はピンクじゃない。ピンクのときとそうじゃないときの違いはなんだろう。なんの意味があって、背景をピンクにしているのか理解できない。この範囲はピンク色の音を出せ。という意味なら納得。つまり、音色指定ってことだから。ただし、公立の小学校で音色指定をさせるとは思えないけど…。ついでに、音色はフレーズだと思うから、やっぱり変な感じ。この楽譜で、みんなは、この音はピンクで!という指示が通るのかな?ついでにだけど、ここでピンク塗られてて「きらきらぼし」なので、「黄色の音で!」と言われたら、完全にパニックです。どんなに小さい頃から楽器習っていたとしても、学校の音楽は嫌いになりそうです。あれかな?楽器習っていた子のアドバンテージを奪うのが目的かな?だとしたら、納得。できない子に合わせるべき。学校の教え方が正義ってことね。

4)歌詞と音の発音の文字がなんで両方ともひらがななんだろう。
だからさ、最初から五線紙にすれば、音符にふりがな?書かなくていいんだって。両方ひらがなにしちゃうと、歌詞なのか、音の指示なのかわかりづらいでしょうに。音の指示が必要な場合は、カタカナで書けばいいだけ。必要な子にサポートしてあげれば良くて、こんなの、情報がごちゃごちゃしてて、かえって分かりづらいでしょうに。何見ていいのかわからないというか、正直うんざりする。当方、それなりに楽器経験者ですし、結構若い頃から、オケ譜も読めますが、この楽譜はうんざりする。子供の頃から楽器を習っていた生徒三たちへの悪意があるとしか思えない。

5)どうして「ド」に「1」と運指を書かないんだろう。というか「ソ」と「ラ」にこそ運指を書くべきなのに。(ああ、なるほど。ここはピアニカ担当ではないのね…。わっかりづらいなぁ…。
このページを担当した人、本当におバカさんなのか、全くもって、楽器演奏したことない人なのか、音楽が嫌いなのかわからないけど、3小節目の「ファ」に「4」と書いたら、「ミ」以降は書く必要がない。指がセットされているから。一方で、1小節目の「ソ」と2小節目の「ラ」に運指がないと、子供は「ソ」を5番(つまり小指)、その後の「ラ」を5番(小指)か、4番(薬指)をひっくり返して演奏するのが、ド定番なのに…。重要なのは「ソ」に3番、もしくは4番、「ラ」に4番、もしくは5番を振ってあげて、その上で、三小節目の「ファ」に4番を降る。あとは記載しなくて良い。私は、長年複数の楽器を演奏してますし、割と小さな頃から楽器経験者なのですが、これは、正直言って「複雑すぎる」と言いたい。一般的に、幼稚園生でもバイエル程度の楽譜は理解できるので、余計なこと書かないほうがよっぽどわかりやすいです。

別のページからも抜粋ですが…。
私のブラウザの問題なのかわかりませんが、五線紙の太さが微妙に違う…。どう考えても見えづらい。何を意図したいのか全然意味がわからないです。ただ、当方のブラウザの問題だったら、申し訳ないですね。とさせていただきます。

<出典元:教育出版社 小学校音楽デジタル教科書に関する考察>http://www.ongakukyouiku.com/research/2014/kyoshutsu.html

その他にも…。

言いたいことはわかるけど、これってかえって複雑じゃない?普通の楽譜のほうが断然わかりやすいのに…。普通の五線紙に書いてあることから楽器演奏をさせることに着眼を置けば、さっさとある程度は演奏できるようになるし、結果として楽しいのに、無駄に、新解釈?理解させることを増やしてどうするんだろう。

<出典元:教育芸術社>https://www.kyogei.co.jp/textbook/es/es-r6/qrcode

一般的な近代の西洋クラシックであれば、10秒、20秒、30秒とはカウントしない。メトロノームでテンポを指定。テンポ60であれば、1拍が1秒だから、仮に10秒目という指示にしたければ、10拍目が10秒目。基本の4拍子を考えれば、3小節目の3つ目の4分音符が10秒目。0秒を少し過ぎたところで記載されているピンクの丸は、想像だけど、8分休符か4分休符の後にカスタネットを1回。10秒とあるので、三小節目の真ん中。つまり、三小節目の四分音符3つ目の場所で叩く。6つあるから、6連符かな?もしくは、随分と難しいことさせるんですね。感覚的なことが多すぎて、正直意味がわかりません。普通に五線紙に書けばいいだけなのに…。なんで、かえって難しいことをさせたいのか意味がわからない。

これも言っている意味がわからない。

いや、日本語は拍(モーラ)の言語なので、言わんとすることはわかりますが、「(めだ)(まや)(きー)」を「め・だ・ま・や・き」と言って何がダメなんでしょうか?どちらかと言えば「バナナ」は英語なので、音節で「baNana」とかにしたほうがよくないですか?正直、私は音楽嫌いになりそうです。(たぶんですが、私が小学生の頃でも、小学校の音楽の先生よりはずっとマシな音楽解釈ができていたでしょうし、ピアノも弾けたと思いますが)

<出典元:双葉西小学校>https://www.city-kai.ed.jp/fnsho/?p=44925

この音楽の教科書を書いた人は、音楽嫌いの子供を作りたいのか謎です。ある程度楽器を経験したことある子供からしたら、苦痛でしょうに。できる子たちへの罰とか、学校のルールが正義。を教えたいなら、まぁ、ありですが…。この意味不明な音楽の授業は、受けたくもないし、受けさせたくもない。子供が混乱するから、楽器の先生も困るよね。

これって、結局「配慮」の本質を理解していないからこうなる。

わからない子へのサポートであったり「配慮」だったりの本質を理解していないからこうなる。カラーガイドなどは、その使い方次第ではすごく効果的なんだけど、一方で妙な色が入ることで分かりづらくなる場合もある。情報過多なんだよ。他にも、楽譜の周りにイラストとかチラチラ入って、集中しづらい。なんでも先回りして情報をあげすぎるから、こうなる。結果として、本来理解できる子が、理解できなくなっちゃう(情報過多で混乱)。まずは、普通クラスにおける最も実験しやすそうなアート系の科目がこんなんなので、日本でギフテッド教育なんてのは、ずーっと先だろうな。期待しないほうがいいでしょう。

先回りして情報をあげすぎることが、配慮ってわけじゃないんですよね。この音楽の教科書だと、たぶん、クラスの全員が「わからない」であっても、不思議じゃない。本来、楽器習っててわかる子ですら「いや、フルートの先生とは違うから」で意味がわからなくて、塾で算数習っている子たちと同じ感想で「塾のやり方で学校でやると怒られるから」という本末転倒なことが起きるでしょう。配慮して格差なくそうとした結果、さらに格差が生まれると思う。少なくとも私に子供がいたら「なんだこれ」と思うでしょうし、楽器習わせても「まぁ、学校はそういう場所じゃないから気にしなくていいよ」と言うだろうな。

最近の小学生は大変だな。学校なんて、適当でいいよ。と言ってあげたい。

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