雑感92:GitLabに学ぶ 世界最先端のリモート組織のつくりかた
GitLabハンドブックとはこちらです。
いい機会だったので、このGitLabハンドブックを結構じっくり見てみたのですが、単なる社内イントラではなく、各ページに執筆者の魂が乗っている感じが読んでいて面白い。結構冗長な表現もあったりする。
ちょっと言い過ぎかもしれないけれど、このハンドブックをじっくり読んでいるとオフィスで働いているような臨場感を感じられるかも。
私の職場のポータルサイトが無味無臭・無機質すぎるのでその反動的印象かもしれませんが。。。
紹介文にある通り、(オンラインの)ハンドブックをベースにGitLabでの働き方や制度設計が紹介・解説されている本です。
連続性も一貫性もないですが、例によって印象に残った点をいくつか。
ハンドブックファースト
とにもかくにもハンドブックに書かれていることが絶対であると。
これは情報が散在していない、ハンドブックに集約されているという点で「業務の効率化」の側面が強そうに見えますが、「心理的安全性の確保」にも役立つと。
どういうことかというと、評価もコミュニケーションの取り方も、その全てがハンドブックに基づいており、上司の気まぐれに左右されないよと。ハンドブックと違う言動をとる上司がいれば「それはハンドブック違反になるよ」という動き方をするとのこと。ハンドブックの作り込みが大変そうですが、人の恣意性を排除でき公平・妥当な仕組みとして、非常に有用と思います。
ハンドブックがあるおかげで、たとえリモートであっても会社の「文化」が醸成される。
非同期コミュニケーション
リモートワークなので、同期型のコミュニケーションはWeb会議くらいでしょうか。では、非同期コミュニケーションのルールはというと、
これ、優秀な社員の集合体でないとなかなか成立しない気がしますが、成果主義的でスピード感があっていいですね。弊社にはこのルールは無理かな・・・。
同意しない、コミットする、同意しない
自分の意見や成果物と人格は別のものであると。この一種の割り切りというか思考の整理が会社の共通認識になっていると、自由闊達で非常に強い組織になる気がします。
学校で成績の良し悪しで友達になるならないを決めたりはしません。人格と成果物を切り分けるのは、実は至って普通のことのような気もします。
9-BOXの人事制度
GitLabでは3×3のマスで人事評価がなされる。
一つの軸は「成長力」:日々成長しているか、新しいことに挑戦しているか。
もう一つの軸は「パフォーマンス」:これは職位(役割)に見合うパフォーマンスを発揮できているか。
一つ目の「成長力」という軸は純粋にいいなと思いました。どこの大企業も茹でガエル的社員が多いと思いますが、日々成長しているか、1年前の自分と違う自分になっているか?という視点を評価に取り入れるのは面白いと思います。一方で評価者側が被評価者をよく見ていないといけないですよね。運用を考えると、ここが非常に難しいと思う。ハンドブックファーストと言いつつ、成長しているかどうかの判断から恣意性を排除できるか???
その他にもいろいろ書いてあるのですが、総じて申し上げると、出勤が常識になっている日本の大企業の方には、常識と思っていることが実はバイアス、いわゆるアンコンシャスバイアスを認識するいい機会なるのではないかと思います。
あんまり隅から隅まで読むというよりかはササーっと読ませていただいたのですが、非常に面白かったです。
終わります。