雑感100:コルテスとピサロ: 遍歴と定住のはざまで生きた征服者(世界史リブレット人 48)
世界史の教科書って、その裏にものすごい濃厚なストーリーがありそうな話も至極あっさりと書きますよね。
記憶が曖昧ですが、コルテスとピサロはまさしくそれで、なんかすごいサラッとアステカとインカを征服したと書かれる。
で、特にどのように征服したかは書かれていない(書かれていなかったと思う)ので、当時のヨーロッパと中南米の文明、技術的な差が大きかったのだろうと勝手に想像する。
・・・実際のところはどうだったのだろうか?ということで本書を読んだわけですが、筆者はむしろ技術的な格差による説明には否定的で、先住民族の側の支配者層と被支配者層、双方の判断のミスの積み重ねが大きいのではないかと論じている。
先住民族も一枚岩ではなかったと。スペイン人に先住民族間の対立関係、綻びを見破られ、付け入るスキを与えてしまった。
立憲民主党が政権交代を目指そうとしても、内部が分裂している、そんな状態でしょうか?ちょっと違うか。
本書冒頭に、ラス・カサスやモンテーニュが先住民族に及ぼした甚大な被害を批判した旨が書かれているが、当時の世論はどのようであったのだろう。
啓蒙主義的なキリスト教の布教活動、黄金の国のロマン、エンコミエンダ制による強制労働の容認。
かたや先住民もスペイン人も同等の人間であると説く哲学者・・・。
16世紀のヨーロッパ、いまから約500年前・・・。
答えのない空想に耽って終わります。しっかり世界史を勉強すれば、答えのないことはないのでしょうが。
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