要らないものに囲まれて、死んでゆく
し、死ぬまで
要らないものに囲まれるですって?
タイトルだけ読むと
ミニマリストが見たら
発狂されるかも知れない
でも、実際のところ
俺の現実はそんなもんだったのだ
昨日
年に1度しか使わない
雪だるまとアヒルちゃんの製造機を
棚の中からガサゴソ探していた
すると、着ない服、靴
使わなくなったスポーツ用品
そして、巨大な抱き枕が出てきた
こ、この巨大な抱き枕
誰だ、これ置いていったの
すでに自分の所有なのかすら
危ういものまで出てきたのでした
俺どんだけ要らないものに
囲まれてるんだろ?
と、その時、考えこんじゃった
たとえば、ワイングラス
客が来ることを前提にしてるけど
俺、ワイン飲めないし
コロナで客なんかもう呼ばない
そんな風に要らないものが一度目につくと
色んな要らないもの、急を要さないものが
この狭い我が家のあちこちに
散見し出してしまった
まぁ
要らないもの、を
どう定義するのかにもよると思う
要らないもの=好みではないもの
としたとしようか
これ↑なんか、ミニマリストが見たら
あまりに要らな過ぎて
失神するのではないか
古墳めし製造セット
他人からすると
ほとんどの人が好みじゃないハズ
が
俺には古墳というだけで
相当価値がある
しかも、これでカレーライスや
ケチャップライスを作ったら
カレーライスの古墳
ケチャップライスの古墳になる
そんな小さなことで
俺の心は盛り上がり、そしてすぐ冷めて
そのアップダウンを繰り返し
死んでゆくんだろう
じゃあ
要らないもの=実用性がない
としてみたら、どうなるだろう
これ↑なんかも、ミニマリストが見たら
あまりに実用性がなくて
下顎がはずれるんじゃないだろうか
古墳めし製造セット
ハッキリ言って実用性がない
カレーライスのライスを
わざわざ古墳にする必要がないからだ
ご飯を古墳としたら
カレールーはお濠、ということになる
茶色いお濠はドロ水か?
と、そこまで解釈されたら厄介だ
しかも
ご飯を出された人が
『わぁぁぁ、古墳だ(笑)』
と言ってくれたとして
後は
スプーンで古墳をガツガツ砕いて
亡きものにされるだろう
その行為は、墓泥棒じゃないか
うむむむむむ
非常に実用的じゃない
でもね、俺は
そのわずか数秒の
『わぁぁぁ、古墳だ(笑)』
が、最高の栄養になるのだ
そのわぁぁぁ古墳だの表情をまぶたに
たくさん焼き付けて
死んでゆくに違いない
では
要らないもの=極端に使用頻度が少ない
としてみたら、どうだろうか
これ↑なんかは
どうして買ったの、クソジジイ!?と
ミニマリストにドヤされそうだ
匠の技が光る、耳毛抜き
たしかに、これを買って1年以上経つが
使用はたったの2回
ひょろっと伸びた耳毛を抜いただけだ
ちなみに、百均ではない
匠な金物屋仕様で
抜いても謎に痛くない、という優れものだ
耳毛とは不思議なもので
1日でここまで伸びたのか?
と思うくらい
ある日すごく伸びていることに気づく
それが、耳毛だ
指で摘んで抜こうとしても
馬油まみれの山ちゃんの指では
一向に抜けないのだ
馬油まみれになる前に抜けばいい
と言われても
鏡の前に立つのは馬油を使った後と
習慣づいてしまっているので
延々と、耳毛が放置されてしまう
なので
使用頻度が少ないことを承知で
耳毛抜き、を買ってしまった
使用回数、2回
この先使うかは、全くもって未定
そうか
俺は、この先あと何回使うかも分からない
耳毛抜きを時々手に取って
死んでゆくに違いない
きっとこの先も
要らないものがあるのに無視して暮らして
忘れた頃に偶然見つけたフリして
なんだコレ?
要らねぇじゃねーかって
つぶやきながら
死んでゆくのだろう