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すぐ「隙間」に頼るべからず【文章術025】

僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は、原稿としての作法について考えていきたい。

もし改行に頼る癖があれば治そう

「記事を見やすくするために、改行をどんどん入れよう」と勧めるテクニックをよく見かける。もちろん、ブログやnoteにおいて、「離脱率」を下げるためのテクニックとして、戦略的に活用するのは問題ないと思う。


【改行が多い文の例】

「デザイン」という手法は、デザインに縁の無かった人からは、簡単に思えるものです。

しかし、デザインを少し学ぶと、その深さと難しさに気付きます。

これは、デザインだけでなく、ライティングにも言えることです。

これまでに、原稿執筆を経験したことがない人にとって、文章を書くのは簡単に思えます。

しかし、仕事として何かの目的のために文字を書き、お金をもらうことは……


しかし、この手法はあくまで記事の視認性をあげるアプローチの一つに過ぎず、ライティングスキルと同一視すべきではない。

改行を増やすと、なんとなく文そのものが上手くなったような錯覚を書き手に与えてしまうことがある。少なくともライティングスキルのレベルアップを図る段階で、「とりあえず改行多くしておけば、良いんでしょ?」と思考が偏っていくのは健全ではない。

まずは自分の文に、すぐ隙間に頼ってしまう癖が付いていないかどうか、見直してみよう。


改行は使えない場面も多い

「良い文ならば、改行が多くなくても、最後まで読んでもらえる」。とにかく、書き手自身がそう信じる姿勢が重要だ。

そして、もしライターとしてお金を稼ぎたいのならば、そもそも改行に頼る書き方は使えない。

これは、当然媒体ごとの「作法」があるからだ。たとえば、ネットやアプリで、ニュース記事を読んでみれば、大多数のWebメディアにおいて、改行頻度は適度であるのが分かる。媒体によって、段落の初めの一文字が空白になっているかどうか(字下げがあるか)くらいの差はあれど、基本的な書き方は共通している。

ほかにも、新聞や雑誌のテキストならばそもそも改行など多用できない。

(※小説について、筆者は門外漢だが、軽く調べただけでも改行の使い過ぎは賞の審査で弾かれる要因となりうるとあった。改行に対する認識は、さほど変わらなそうだ)

「隙間」に頼らず、密度の高い文章を書けるようにするーー。もし「なんちゃっての見やすさ」ではなく、「文の精度」を上げていきたいならば、そんな意識で文に向き合ってみてほしい。

練習課題

【課題025】400文字上限で「デザイン史」をテーマに、検索をしながら原稿を書いてみよう。その際に、改行(段落分け)は、3回まで使って良いこととする。

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