「誇大表現」に頼らない【文章術077】
本noteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は「誇大表現」を使わないよう、意識づけをしたい。
ついつい使いがちな誇大表現
「誇大(こだい)」とは、実際の度合いよりも、大きく表してしまうことを意味する言葉だ。要するに「つい盛り過ぎた話」みたいなものである。
例えば、185cmの身長の男性とすれ違って「さっき通り過ぎた彼は、とても背が高かった。身長2mはあったよ!」と盛ってエピソードを語るとしたら、それは誇大した表現になる。
さて、SNSなどで個人が簡単に情報を発信できるようになった昨今、インターネット上には誇大表現を使った表現が溢れている。例えば、動画投稿サイトにUPされた動画の見出しを眺めれば、すぐに見つかるだろう。
「最強の〜」「誰も知らない〜」「世界一の〜」こう言った類の言葉を使う見出しは、大抵の場合、度合いの大小はあれ誇大表現に当たる可能性が高くなる。
誇大表現を避けるべき理由
誇大表現は、マーケティング視点で見れば確かに視聴者・読者の興味を集めやすく、人を惹きつける効果はある。しかし、ライティングスキルを上げていくという前提ならば、必ず避ける意識づけをしておきたい。
これは、場合によっては、法律に触れるからだ。個人がSNSに投稿する程度の情報なら問題ないこともあるだろうが、メディアに寄稿する文書で、法に触れることはリスクが高い。
情報が膨大になるので、本稿では詳細は割愛するが、自力で調べる際には、以下のようなキーワードをフックにしながら、リサーチしていくと良いだろう。
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・誇大広告
・景品表示法
・優良誤認
・有利誤認
・不当顧客誘引
・食品衛生法
・食品表示法
・JAS法
・健康増進法
・薬機法
・宅地建物取引業法
・弁護士の広告
・特定商取引法
など
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というか、このくらい多くのルールに抵触するリスクがあるのが分かれば十分である。要するに、最終的には、素人が判断できる事象では無くなるので、広告関連の表記には、それをチェックするプロの存在が不可欠となると理解して貰えばそれで良い。
ただし、ライターとしても「そんなの知らねえ」というスタイルで、記事を書くことは推奨できない。書き手が最大限気をつけたうえで、それでもうっかり規制に抵触してしまうリスクがある部分を編集部や広告・法律のプロフェッショナルに発見・指摘してもらうーーという流れが健全だろう。
ちなみに、noteのコミュニティガイドラインにも「最上級表示、No.1表示について」(https://www.help-note.com/hc/ja/articles/25490381567641)という注意書きのページがあるので、心配な人は目を通しておこう。
対策は、事実と根拠
誇大表現を避けるためのポイントは、盛った表現を書き直すことだ。先述したような「最強の〜」「誰も知らない〜」「世界一の〜」のような表現は、基本的に避けるべきである。
もし自身の原稿にこうした表現を発見したら、問題のない表現に書き換えるのが定石だ。嘘ではない事実を書くことに徹しよう。
当然、キャッチコピー的な視点から見るととてもつまらない文になってしまいがちだ。しかし、ライターならば、それで良いのである。もし惹きが足りないのであれば、編集担当者や責任者が加筆修正するからだ。表現の塩梅に慣れないうちはその方が安全である。
ちなみに、例えば、本当に「世界一の〜である」と何かを主張するのであれば、「◯月◯日時点、◯◯調べ」のように、根拠を明記する必要があると覚えておこう。
注意点
注意したいことは、2つある。1つは、編集担当者にこうした意識がないときに、書き手の意図しなかった誇大表現へと書き直されてしまうことだ。著者校正の際に、あまりにリスクのある場合には、書き手から指摘を入れた方が良い。
もう一つは、SNSや動画投稿サイトで見かけた誇大表現に対して、悪戯に「誇大表現はダメですよ」と指摘しないことだ。当然それら全てが法に触れているわけでは決してなく、多くは問題のないものなので、はっきり言って大きなお世話になってしまう。
知っていることは「知性」であり、それを言わないことは「品性」であるーーなどと言うものだが、本noteの目的は読者が誰かの揚げ足を取るような人にすることではない。本noteで紹介した知識は、あくまでも自身の執筆後のトラブルを予防するうえでの基礎知識として、捉えて欲しい。
練習課題
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