見出し画像

対比では「は」を使う【文章術041】

僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は、対比の表現で「は」を使うことを紹介したい。

対比の「は」

「私は」のように、主語に付く助詞の「は」には、覚えておきたい使い方がある。それは、対比を表す文において、「は」を使うというものだ。

例)僕の身長170cmで、彼の身長182cmです。

こうした文でやりがちなミスは、「が」を使ってしまうことだ。文として完全に誤っている訳ではないが、対比の意味合いは感じにくくなる。

例△)僕の身長が170cmで、彼の身長が182cmです。

上の文では、僕の身長が182cmと勘違いされそうな場面で、訂正するような文に思える。たとえば、「先生、違いますよ。僕の身長が170cmで、彼の身長が182cmです」といった会話調にすれば自然だろうか。

この辺りの原因については、【文章術017】を読んでもらえると理解しやすいだろう。


こうした原則を理解していても、文章が長くなったり、複雑になったりすると、対比を目的にしていても、「は」と「が」をうっかり混在させてしまうことがある。

書き手としては、対比構造を作るときには、助詞に注意を払いたい。


敢えて「が」を使う場面

一見、対比の構造で「は」を使うべき、と思えても、文の構造として意図的に「が」を選択すべき場合もある。たとえば、文頭に前置きのような表現が加わる文が、これに相当する。

例△)昨年の測定値、僕の身長170cmで、彼の身長182cmでした。

たとえば、上のような文では、「は」が3回出てくることで、主語が分かりづらくなり、構造が破綻してしまっている。リライトするなら以下のようになるだろう。

まずは、無理に対比にこだわって使っていた「は」を「が」に直した場合。

例)昨年の測定値、僕の身長170cmで、彼の身長182cmでした。

そして、前置きを主語ではなくなるように直す場合。こちらは、対比の「は」はそのままで違和感なく使える。

例)昨年の測定では(に関して/において)、僕の身長170cmで、彼の身長182cmでした。

対比では「は」を使う、という原則を覚えるのは重要だ。その上で、文章を書いていると、敢えて「が」に書き換えるかどうかを考える場面にもちょくちょく出会うことになるだろう。

どちらが正解なのかは、答えが無いことも多いので、経験を積みながら自分のなかでの「指針」というか「型」のようなものを定めていくと良いと思う。

練習課題

【課題041】対比の「は」を使った文を、前置きあり、なしのパターンで5つずつ書いてみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?