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「漢字比率」は40%以下を目指そう【文章術019】


僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は、難しいことばをやさしく言いかえることについて、実践したい。

漢字が多いと読みづらい

専門用語というのは便利である。少ない語数で、多くの情報を相手に伝えることができるからだ。そういう意味で、ある程度、知識を持った者同士が会話をするならば、専門用語は欠かせないツールと言える。

一方、本やWeb上に書く文章というのは、誰が読むかわからないことが多い。そこで、専門家同士のやり取りをしていては、知識を持たない読者は、ぽつんと置きざりになってしまう。これを避けるために、書き手として情報密度の高い専門用語を乱用してはならない。

そして、こうした注意をしなくてはならないのは、専門性の高い知識を持つ人が、専門用語を使うタイミングだけに限らない。

これは、誰しも、文章を書いているときに、小難しいことを表現しようとすると、格好良く、書き心地のよい熟語を多く使いがちになるからだ。

結論を言えば、使える文字数に余裕がある場合、多くの人にとって読みやすい文章を目指すために、小難しい言葉はなるべく使わないように意識した方が良い。

具体的には、熟語の使いすぎに気をつけ、漢字とひらがなのバランスが偏りすぎないようにしよう。

例えば、極端に漢字(熟語)が多すぎる文を書いてみると、以下のような感じになる。これでは、読者はかえって情報を受け取りづらい。

高度な知識を共有する際、専門用語を駆使すると効率性が向上する。(18漢字/31文字)

そこで、なるべく熟語を易しい表現に変えつつ、漢字とひらがなのバランスを整えるとこうなる。

知識を伝えるときには、専門用語を使うと効率がよい。(10漢字/25文字)

前者では文字数における約60%を漢字が占めている。一方、後者ではそれが40%まで下がっている。

一説によると、この「漢字比率」という割合は30%にするのが理想と言われる。しかし、全ての文で、そこまで漢字を減らすのはなかなか難しいものだ。

あくまでも筆者の感覚的なものだが、分かりやすさを意識するならば、堅い文でも40〜45%程度を目指すとよいと思う。それによって全体で30%程度の漢字比率を実現しやすくなる。

ちなみに、「漢字使用率チェッカー」のようなWebアプリも存在する。文や文章の漢字比率を確認したい場合には、ぜひ使ってみるとよい。


練習課題

【課題019】自由なテーマで100字ぴったりの文章を2つ書こう。1つは漢字の割合を50%以上にし、1つは30%未満になるように整えよう。



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