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「並列」を書くときに、英文の構造を取り入れてみよう【文章術012】

僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。今回は、情報を並列に並べるときに、英文で一般的な構造を使うテクニックについて紹介したい。

「A、B、&C 」の形を使おう

複数の情報を並列で並べるとき、口語的な感覚で書いてしまうと、文章が間伸びして分かりづらくなりがちだ。たとえば、以下のようなものが該当する。

僕はランチビュッフェで、ステーキと、寿司と、卵焼きと、ソーセージを取った。

もちろん、「〜と、〜と、〜と、」あるいは「〜や、〜や、〜や」のように並べるのは、文法的な誤りではないだろうし、口語では違和感がない表現だ。しかし、文章にするとやや幼稚な響きにも感じる。

これを回避するために、一般的には、「と」や「や」を冒頭の一回だけ用いて、あとは「読点(、)」のみで並列に並べる手法が取られることが多いだろう。

僕はランチビュッフェで、ステーキと、寿司、卵焼き、ソーセージを取った。

しかし、これでもまだ不十分だ。この日本語構造では、「どこで並列が終わるの?」という情報が読み手に伝わりづらい。上の情報では「を取った。」を見て初めて「嗚呼、ソーセージがラスト一品なのか」と理解できることになる。上記の例文は、並列なのが単語だから良いものの、「〜すること」のような文が並列になったら非常に分かりにくくなる。

僕がいつも心がけているのは、〜することと、〜すること、〜すること、〜することだ。(読者の心の声=いつ終わりが来るの?)

なので、趣きなどではなく、文章のわかりやすさを重視する場合、最初に個数を明示するのがよい。たとえば、以下のような具合だ。

僕はランチビュッフェで、4品を取った。具体的には、ステーキと、寿司、卵焼き、ソーセージだ。

これなら読み進めているなかで、ソーセージがラスト1品なんだということが理解できる。こういったわずかな部分で、「なぜか理解しやすい文章」と、「なんだかわかりづらい文章」が変わってくる。

そして、さらに便利なのが英文のルールを活用することだ。情報を並列に記載する場合、「and」や「or」が最後の単語の手前にくる。

I ate steak, sushi, and sausage.

これは多くの人が共通認識として知っているルール・構造なので、日本語でも「そして」や「あるいは」に変換して使えば違和感なく運用できる。並列開始の「と」や「や」はあってもなくても意味は伝わる。書くかどうかは、日本語としての作法を重視するかどうかで、決めれば良いだろう。

僕はランチビュッフェで、ステーキ、寿司、卵焼き、そしてソーセージを取った。

さらに、最初に個数を明示することと、終わりを明示するand/orを組み合わせることで、文を並列にするような構造でも分かりやすく整えやすい。たとえば、以下のような感じだ。

僕が新年の目標を立てるときに気をつけていることは3つある。それは、目標を具体的にすること、気合や運ではなく継続と反復によって達成できる目標にすること、そして数値的な記録としてあとから達成度を可視化できる目標にすることだ。これらを無視した目標は、1年後に立てたことすら忘れてしまうだろう。


今回の課題

では、今回の課題について。

【課題012】A, B, and CおよびA, B, or Cの構造を用いて、それぞれ100〜200字程度の文章を書いてみよう。

日本語的に正しい・美しいかどうかより、情報がスムーズに伝わるかどうか、が求められる場面では有効なテクニックだと思っている。ぜひ活用してみてほしい。


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