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その日の「縛り」を決めると文が変わる【文章術022】


僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は、本マガジンに共通する軸でもあるが、何か一つテーマを決めて書くことが良い練習になるということを紹介したい。

掴みどころのない「文章の練習」を効果的にするために

これは文章術に限ったことではないが、「練習」をひたすら繰り返しても、量に比例してスキルアップするとは限らない。

当然、行動しない人(全然書かない人)と、行動する人(すぐ文を書いてみる人)では、後者の方が上達する。しかし、後者でも努力の方向性が間違ってしまえば、せっかくのエネルギーも成果に反映されづらくなってしまう。

大切なのは、現状を分析し、何を改善したら成果に繋がるのかを考え、課題を見定めて行動することだ。このように、ルーティンの中に練習のテーマを見出せる人は上達のスピードが速い。

とはいえ、文章練習のテーマを考えるのは難しい。そういうテーマを代わりに設定しよう、というのが本マガジンの機能でもあるのだが、今回は改めて、分かりやすい「縛り」を設けさせてもらった。

「〜的/化/性/力」などを使わないで書いてみる

さて、ここで紹介するのは、「漢字の使用率をなるべく下げよう」と紹介した文章術019の内容を、さらに掘り下げたテクニックだ。

この漢字比率を下げるためには、使い過ぎてはいけない表現がある。たとえば「〜的」「〜化」「〜性」「〜力」といった書き方だ。

今回はこれらを意識して使わないように文章を書いてみよう。それだけでも普段無意識に書いている文章に、少し化学変化が起きる。


書き換えの例

実際、筆が速くなり、少し堅めの内容の文章が書けるようになってくると、「〜的」や「〜性」という書き方に頼り過ぎてしまうことがある。

A)今回はこれを意識に使わないように書いてみよう。
B)さて、紹介するのは、文章術019の内容をさらに具体したテクニックだ。
C)ICT機器が子どもたちの可能を高める。
D)B社は国外でも高い競争を持つ。

しかし、これらの表現は必ずしも使わなくても良いものだ。たとえば、それぞれ以下のように書き換えられる。

A')今回はこれらを意識して使わないように文章を書いてみよう。
B')さて、ここで紹介するのは、文章術019の内容を、さらに掘り下げたテクニックだ。
C')ICT機器があれば、子どもたちは様々なことに挑戦できるようになる。
D')B社の製品は、国内だけでなく、一部の国外でも高いシェアを誇っている。

このように、的、化、性、力などを使わないことで、書き手は表現のバリエーションに意識を巡らすことになる。また、C'、D'のように、場合によっては、より伝えたいことを細かく描写する必要も出てくるだろう

的、化、性、力を使えば、一見洗練された印象になるが、必ずそれが正解とは限らない。言い換えを考えることで、使える表現の幅を広げてほしい。


練習課題

【課題022】今まで書いたことがある文章を使って、的/化/性/力を使った箇所を書き換えてみよう。

なお、言い換えに悩んだ場合には、類語や言い換えについてインターネットで検索してみると良い。

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