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複雑な文は「ほぐして」リライトする【文章術037】

僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。

今回は、複雑な構造の文を読みやすくするために、内容を分ける手法を紹介したい。


一気に語らない

結論から言うと、一つの文に多くの情報を詰め込み過ぎるのは良くない。まずは、下の例文を読んでみてほしい。

例)ここ数年で普及したWeb会議ツールなどを使うテレワークという働き方は、在宅勤務だけでなく、会社とは離れた位置に立地する「サテライトオフィス」での勤務なども含めた概念だ。

この例文で書いてある内容自体は、そこまでおかしくない。しかし、文の構造が複雑怪奇になっているため、読みづらく、誤解を招きやすい文になっている。これは、複数の伝えたい情報を1つの文にまとめてしまっているせいだ。

もし、こんな文を書いてしまうことがあるならば、すぐその癖を直そう。

実際に、仕事でこうした文をよく見かけるのは、編集者などが「こんな内容を書いてほしい」と伝える下書きの文章などだ。たとえ文章スキルが高い相手であっても、手間をかけずに書いているため、こうした文書がよく生まれることになる。

ライターには、こうした文章を分かりやすく書き直すテクニックも求められる。

試しに先ほどの文章を書き直していきたい。まずは、言いたい内容を短文で箇条書きにしよう。

・ここ数年でテレワークが普及した。
・テレワークではWeb会議ツールなどが使われる。
・テレワークとは、在宅勤務だけでなく、サテライトオフィスでの勤務なども含めた概念だ。
・サテライトオフィスとは、会社とは離れた場所に設けられたオフィスのことだ。

これらを繋げただけでも文章になるが、まだ滑らかではない。ひとまず、重要度が低く、繋がりを阻害している部分が上手く繋がるように、内容に書き変えておこう。また、もし必要が有れば並び替えておこう。

・ここ数年でテレワークが普及した。
テレワークではWeb会議ツールなどが使われる。Web会議は私たちにとって既にお馴染みの存在だ。
・テレワークとは、在宅勤務だけでなく、サテライトオフィスでの勤務なども含めた概念だ。
・サテライトオフィスとは、会社とは離れた場所に設けられたオフィスのことだ。

これを並べたうえで、細部を微調整し、自然につながるように整える。すると、下のようになる。

例)ここ数年で「テレワーク」が普及した。Web会議は、私たちにとって既にお馴染みの存在である。このテレワークとは、実は在宅勤務だけでなく、「サテライトオフィス」での勤務なども含めた概念だ。なお、サテライトオフィスとは、会社とは離れた場所に設けられたオフィスのことを指す。

複雑な内容の文章を書こうと思った時には、こういう作業を頭の中で繰り返しながら書くことになる。ついつい1文が長く複雑になってしまった時には、その内容をほぐして、並べてみるとスッキリするはずだ。

練習課題

【課題037】以下の文章をリライトしてみよう。
ここ数年でWeb会議ツールなどを使うテレワークという働き方が普及したが、今度は出社やサテライトオフィスを交えた新しい働き方であるハイブリッドワークというスタイルに置き換わりつつあり、在宅勤務だけでは説明できなくなってきている。

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