文章の「骨格」を作るときに便利な3つの型【文章術011】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。今回は、文章構成を作るときに使える超基本的な3つの型を紹介したい。
(1)PREP法
PREP法とは、プレゼンテーションや文章術における有名な手法だ。具体的には「Point=結論」、「Reason=理由」、「Example=具体例」、「Point=結論」の順で語る。特にビジネス文体では、結論を先頭に出すことが好まれるので、何の話をするのかを最初に言う=「文章における看板」を出すことは意識しておこう。
ただし、プレゼンテーションと比べて、記事が異なるのは、「末尾のPを省いた方が良いケースがある」ということだ。そのため、仕事として原稿を書く場合には、P(結論)→ R(理由)→ E(具体例)という流れになることが多い。
(2)ポイントを3つ挙げる
要点や具体例を3つに絞るということも、プレゼンテーションの技術としてはド定番だ。4つ以上だと多すぎて読者にとってわかりづらくなるし、2つだと内容が物足りなくなる——という理屈である。たとえば、さきほどのPREP法におけるR(理由)の部分で、ポイントを3つ挙げてみよう。
ちなみに、どうしても、2つしかポイントが挙げられないという場合には、「ただし」などの文言を続けて、欠点や補足の情報を1つ加えるとバランスがとりやすい。
(3)譲歩・逆説からの主張
「もちろん〜だが」という譲歩・逆説の後に主張がくるという構造は、国語、英語を問わず、多くの人が文章読解という文脈で習ったことがあるのではないだろうか。この基本形は、原稿執筆でも当然使える。
「私は、ここをピンポイントで強調したい」という話題があれば、この形に詰め込むことで読者にも分かりやすく明示できる。たとえば、ラーメンに関する「E(事例)」のブロックにこの構造を使ってみよう。
この構造を入れることで、単純になりがちなPREP方の流れの中でも、「あ、ラーメン屋好きな人が、特に気に入ったラーメン屋の話をするんだな」と文の流れが切り替わることで、抑揚がつきやすい。
まとめ
以上3つのテクニックをまとめると、先の例では以下のような構造になる。
また、Eの「特に気に入っている〜という店だ」という主張部分にもPREP法を使えば、階層構造を作れる。論点が複雑になった場合には、Pの前に記事全体の要約となるリード文を置けば、整合性をとりやすい。
もし、文章をうまく書けないと感じているときは、いきなり文章を書くのではなく、こうした骨格づくりから着手してみると良いだろう。
今回の課題
では、今回の課題だ。
もちろん、骨格を意識しすぎても文章が書けなくなることはある。しかし、全く構造を意識しないで書いていると、説得力のある文章にはなりづらい。ある程度執筆に慣れてきたときこそ、忘れやすい概念なので、基本のテクニックとして、頭の中の隅でよいので常に置いておくと良いと思う。
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