見出しで「へ」や「に」を使う【文章術038】
僕のnoteでは、これからライターを目指す人や、新たなスキルを身につけたいビジネスパーソンに向けて、文章力を培うためのポイントを解説し、練習課題を出していく。
今回は、記事の見出しで「へ」や「に」などの助手を使う方法について説明したい。
見出しの原則
一言で「見出し」と括っても、色々な見出しが存在する。
例えば、Web記事ならばキュレーションアプリで表示されるタイトルや、記事のタイトル、章ごとの中・小見出しなどだ。
一方、紙媒体ならページごとのタイトルや、図解の小見出し、本文の冒頭につける見出しなどがある。
こうした見出しについて、最終的な決定権を持つのは編集部であることが多い。ライターが付けたタイトルや見出しは、あくまで「仮」扱いになる前提でいよう。
とはいえ、ライターが書いたタイトルや見出しがよければ、そのまま採用されることも当然ある。修正される前提であっても、形を整えてから手渡すのが通例だ。
なお、小見出しを書く上での心構えについては、こちらの投稿でも紹介した。興味があったら併せてご覧いただきたい。
「へ」と「に」
そして本題だ。こうした見出し・小見出しでは「へ」や「に」のような助詞が活躍する。これは使用できる文字数が限られるためだ。長い文を書けないために、末尾を助詞で終わらせるような省略表現がよく使われるのだ。
例えば、こんな記事見出しは、きっとどこかで見たことがあるのではなかろうか。普通の文ならば、
といった表現になるはずだが、見出しで情報を端的に伝えるためにはやや冗長だ。一方、これを「へ」で切っていた先ほどの形では、読むべき文字数が減り、重要な情報を伝える文字だけに絞れているのが分かる。
同じく「に」もよく使われる。例えば、こんな見出しが作れる。
ここで気になってくるのが、「へ」と「に」の使い分けだ。
筆者としては、「へ」は今後の変化や目標地点を表すことが多く、「に」は変化し終わった状態や到着した地点を表すことが多いーーと理解している。
要するに「父、ついに60歳へ」だと、父はこれから還暦を迎えるイメージだ。しかし、「父、ついに60歳に」だと父はすでに還暦を迎えているか、今後すぐに還暦を迎えるか、といった視点に感じられる。
その他のよくある区切り方
また、「へ」や「に」以外では、「を」や「も」も見出しで使いやすい印象がある。
このように「を」で切ると「〜してください」と呼びかけるようなニュアンスが出る。
一方、「も」で切ると「〜もある」という補足情報を表せる。
練習課題
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