「高卒採用広報チーム!」株式会社セールスアドベンチャー代表”渡邉宏明さん”
全国に毎年就職を希望する高校生は約18万人(大学新卒者の4割程度)。職業観が養われていない高校生にとって、限られた情報の中から短期間で結論を求めるのはあまりに酷ではないだろうか。既存の高校生の就職活動の環境に問題意識を持たれ、企業に対して高校新卒者採用プロモーションサービスを展開する渡邉宏明さんにお話を伺いました。
プロフィール
出身地:福岡県福岡市東区
活動地域:福岡を拠点として全国
経歴:2003年株式会社リクルート入社
現在の職業および活動:2003年リクルート入社。
営業リーダーとして、大分、福岡などの地方都市において求人フリーペーパー創刊業務にあたる。グループ会社勤務などを経て、かねてより関心のあった高校生の職業選択(就活実態)を知るべく、2011年、就職指導員として高校に入職。年間69名の生徒を就職内定に導く中で、高校生の職業選択(就職活動)をもっと主体的にする必要があると考える。
2015年より企業の高校新卒者採用広報に携わり、2018年株式会社セールスアドベンチャーを設立。
座右の銘:心が変われば態度が変わる。
態度が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。
伝われば、変わる!
Q1.渡邉さんが描くこれからの夢・ビジョンを教えてください。
渡邉さん(以下渡邉、敬称略):高校生の職業選択をもっと主体的に行えるようにすることですね。高校生の就職活動状況や環境は課題が多いと感じています。全国に毎年18万人(大学新卒者の4割程度)もの就職希望高校生がいる中、企業情報のやり取り方法にも制約が多く、超短期間の中で、1人1社しか応募できないという事実。一定のマーケットであるものの、いくつかのルールに縛られて企業側はPRがうまくできず、生徒は企業のことを十分に知ることができないまま人生の第一歩目を進まなければならない。結果、「先生に勧められたから」と職業を選択し、入社してミスマッチを感じてしまう。それに直接職場見学に行きたくても、学業がメインの高校生にとって、遠方から行くには難しさもありますし、行ってもほとんど時間は取れない。
そんな事実を知るにつれて、企業と就職希望する高校生、双方に弊社の事業を通じて貢献したいというビジョンに変わりました。
企業様側の「うちの事業は社会にも必要とされていて、あとは人さえいたらもっと世の中に貢献できる!」という、社長の熱い想いや、伝えきれない魅力を、代わりにしっかり伝えていけるポジションでありたいです。伝わっていないだけで、伝われば変わる!そう信じています。
記者:そんなに高校生の就職希望者がいたこと自体驚きでした!伝えていくこと、本当に大切だと思います。
Q2.渡邉さんは夢を実現するために、どのような目標や計画を立てていますか?
渡邉:高校生の就職活動にあてられる時間って本当に短いんですよ。そこで、時間もお金もできるだけかけず、極端な話、現地にいけなかったとしても職場、会社のことが少しでもわかるように、高校生向けPR動画の制作を企業様に提案しています。大手企業の中には高校生採用にも時間、お金をかけられるケースもありますが、中小企業はそうもいきませんしね。企業の魅力を的確に伝えることができれば、企業の知名度に関わらず応募行動につながります。
実際に弊社プロモーションサービスを取り入れた企業様が、導入前は採用1名にとどまっていましたが、導入後は29名の採用に成功しています。数字だけの変化ではなく、何よりも嬉しかったのが、企業の魅力がきちんと伝わった高校生は「高校の先生に勧められたから」という受身的な応募動機ではなく、「企業の魅力を知って、絶対この会社で働きたい!」と主体的な動機が多いようにも感じることができました。企業情報を家に持ち帰った生徒が、各自家で動画をもっと見て、主体的に学校に問い合わせてくれるようになるといいですね。
サービスエリアに関しては、ゆくゆくは全国展開して、人材不足の問題を抱える企業と就職希望高校生の職業選択のお役に立てるようよう尽力しているところです。
今は福岡や九州が中心になっていますが、東京や関東での仕事も増えてきています。こちら側の体制が整えば、北海道企業様の紹介などもありがたいことにいただいているんですよ。
記者:まさに「伝わる」ことが大切なわけですね。
Q3.渡邉さんはどのような活動指針で、活動をされているのでしょうか?
渡邉:採用企業様の魅力を最大限引き出せるよう、とにかく打ち合わせは多くやっていますね。PR方法についても、しっかりブレーンストーミングで意見やアイデアを出し合います。想いが強い分、時にはぶつかり合うこともありますが、ぶつかったとしても妥協しないことを大切にしています。必ず良さが分かると確信がありますからね。
あとは、企業様と学校側をつなげるだけでなく、時には社長と中間管理職の方の間に立つこともありますよ。
プロモーションだけでなくて、年間を通して一緒に走っていく、まさにパートナーのような存在でありたいと思っています。また、就職を考える高校生の視点や保護者の目線で、支援する企業を決定することにも大きなこだわりを持っています。
記者:マッチングがしっかりいけば、入社後にやっぱり違ったと辞めることも減らすことができそうですね。
Q4.渡邉さんが、高校生に主体的な職業選択をさせたいという夢を持ったきっかけは何ですか?
渡邉:3つ上の兄がいるんですが、高校卒業後、先生の勧めで某大手車メーカーの工場に就職しました。でも仕事が合わなくて3年後辞めて実家に帰ってきたんです。そこから実家の手伝いをしたり、仕事も転々とするようになりました。そんな兄の人生をみて、悲しみのような、怒りのような、そんな憤りを感じるようになりました。それから高校生の就職活動に関心を持ち、実際現場の就職活動はどんな状況か見てみようと思いました。
リクルート退職後はなんとご縁があり、実際に兄が通っていた高校の、就職指導員(非常勤)となり、リアルの現場で実態を調査しました。すると、十分に企業の情報を知らないまま、「ここでいいや」くらいの意識で就職先を決めてしまっている学生が多かったんです。もちろんちゃんとしているところもありますし、商業科や工業化などはまだいいのですが、普通科とかは特に多かったですね。とりあえずどこかに就職はしますが、大半が短期間に辞めてしまっていました。そこで、お互いのためにもしっかり情報を伝えることが大切だと思ったんです。
記者:なるほど。お兄さんの影響が大きかったのですね。
Q5.渡邉さんの「人生と仕事をマッチングさせる考え方」の背景には、何があったのですか?
渡邉:うちは実家が自営業をしていて、中学生くらいから私も父親の会社を手伝っていたんです。メーカーの下請けとして機械や設備を取り付ける会社をやっていたのですが、残念なことに、そこで働く従業員(作業員)さんの会話を聞く限り、好きでこの仕事をされているわけではなさそうなんですよね。
「もう少し勉強していたらこの仕事をしていない」という話も聞いて、「こんな風になりたくない」という思いもあったし、そんな話ばかりの職場環境も苦痛でした。職人じゃなくて、目的もなく働く作業員さんも、もっと活き活きと働ける様になったらいいのにって思っていましたね。
記者:渡邉さんは、相手に対してもっとこうしてあげたいっていう奉仕の心が強いと感じますが、いかがですか?
渡邉:そうですね。「何か力になりたい」という気持ちは強いです。私は4人の男兄弟の三男坊なんですが、この4人の仲を取り持つ女性役的なポジションに私がいたんです。柔軟性があるというか。
母が「娘がほしかった」ともずっと言ってましたしね。実は私と兄の間に流産した子どもがいて、その子が女の子だったらしいんです。そんな話を聞いていると、自分がその立場にならなきゃっていうか、なってあげたいっていうか。今考えると、心のどこかでそう思っていたのかもしれませんね。やっぱり「何か力になりたい」っていう気持ちですね。
記者:渡邉さんの原動力は「力になりたい」という優しさからなんですね。
高校生のポテンシャルをしっかり引き出し、人材とさえ出会えたら絶対うちの会社は成長できる!という企業の社長たちに、ぜひ渡邉さんを紹介したいと思いました。
本日は貴重なお話、ありがとうございました!
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渡邉宏明さんの活動、連絡についてはこちらから。
【編集後記】
インタビューの記者を担当した荒牧(写真右)、高村(写真中央左)、不知(写真左)です。
渡邉さんは荒牧のリクルート勤務時代の先輩にあたるわけですが、昔から面倒見がよく、仕事にも人間関係にも熱い方だったと覚えています。最初の職業選択はとても重要だと思いますし、情報が届いていないだけで、マッチングできる人材と企業はたくさんあると思います。
渡邉さんの活動は、若者と地元企業の未来を切り拓いていくことでしょう。今後の更なるご活躍を楽しみにしています。
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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。
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