20代前半頃に京都の大学病院に入院していたとき、作家になりたいと同室の年配の人に言ったら、理由を訊かれた。「作家にどうしてなりたいんだ?」 私は素直に「有名になりたいから。お金をたくさん稼ぎたいからです」と答えた。すると彼はそんな動機では話にならないと言って、それ以来、口をきいてくれなくなった。 いまイケダハヤトのYouTubeで稼ぐための文章法を聴いている。彼は繰り返す。私は筆だけで1億円稼ぎました。私の知り合いの彼や彼女は、noteだけで月に数千万は稼いでます。 書
祖母が意識を失くしたり取り戻したりを繰り返している。もうあまり長くないかもしれない。父がそれを教えてくれた。 「でもなあ、意識がなくても人は耳は聞こえていて、ちゃんと周りが何を話しているかわかっとるんや。医者が言うとった。だから葬式どうしようかとか、遺産どうしようかとか、そういうことを耳元で言うたらダメなんやぞ。お前も気をつけろよ。なあ」と父は僕になにかを諭すように言った。「わかった。気をつけるよ」と思わず口走ったが、それはいずれ来る父との別れの際に「そういうことを聞くと哀
さっき隣の愛媛県四国中央市にあるプロミスにお金を返しに行ったあとカレー屋に寄った。カレー屋はインドカレーを供する本格的なもので私はプレーンナンとチキンカレー、それとチャイを頼んだ。 店は田舎の割に週末ということで大いに賑わっていた。インド人3人が白いコック帽をかぶり調理する。それを店の女将である妙齢のおばちゃんが運んでいた。 カレーを食べてレジに立つと、その妙齢のおばちゃんが会計をしてくれた。彼女は顔立ちが綺麗で若い頃はなかなかモテたんだろうなと思う。 「おいしかったで
毎週水曜日の午前中に、移動パン屋のおばちゃんが軽のワゴンでパンを売りに来るんだけれど、今日のおばちゃんは最高にテンションが高かった。 あれは何か食ってるんじゃないかと思うくらいで度肝をぬかれた。 おばちゃんは50くらいで細くて美人ではないけれど、愛嬌があってかわいい感じ。昔風にいえば、ぶりっこ。 パンは添加物を使っていないというのが売りになってて、小さくて味も薄いがかなり高い。3つほど買うと、すぐに千円ちかくになる。 おばちゃんは今日わたしに珍しくパン