イケダハヤト

20代前半頃に京都の大学病院に入院していたとき、作家になりたいと同室の年配の人に言ったら、理由を訊かれた。「作家にどうしてなりたいんだ?」

私は素直に「有名になりたいから。お金をたくさん稼ぎたいからです」と答えた。すると彼はそんな動機では話にならないと言って、それ以来、口をきいてくれなくなった。

いまイケダハヤトのYouTubeで稼ぐための文章法を聴いている。彼は繰り返す。私は筆だけで1億円稼ぎました。私の知り合いの彼や彼女は、noteだけで月に数千万は稼いでます。

書くことへの動機に善も悪もないと今は思う。でもね、昔の感覚でいうと、金に色目を効かせた文章に果たして魅力なんてあるのだろうかと考える。自分の感性が古くなってきたために、こんなことを思うんだろうか。イケダハヤトの稚拙な物言いに彼より若い人たちがなるほどなと頷く。彼が嫌いではないけれど、決定的に彼の文章には欠けてることがあるような気がする。愛がないんだよな。