おばちゃん

さっき隣の愛媛県四国中央市にあるプロミスにお金を返しに行ったあとカレー屋に寄った。カレー屋はインドカレーを供する本格的なもので私はプレーンナンとチキンカレー、それとチャイを頼んだ。

店は田舎の割に週末ということで大いに賑わっていた。インド人3人が白いコック帽をかぶり調理する。それを店の女将である妙齢のおばちゃんが運んでいた。

カレーを食べてレジに立つと、その妙齢のおばちゃんが会計をしてくれた。彼女は顔立ちが綺麗で若い頃はなかなかモテたんだろうなと思う。

「おいしかったです」「ありがとうございます」というような会話をしながらおばちゃんの表情をうかがった。おばちゃんは下の前歯に虫歯があって黒くくすんでいた。それが気になり、話をしながら何度もそこに目がいった。

「また来ますね」と言うと、彼女はそれまでよりひとつ声のトーンをあげて「お願いしますね」と言った。カレー屋がもっと繁盛したらその儲かった資金でおばちゃんは歯をクリーニングするのだろか。笑ってくれるのだろうか、と考えながら自動ドアをくぐり店を出た。

プロミスから借りた借金を全額返済をするまではまだまだ時間がかかりそうだ。そんなことを思いながら空を見た。星はまったく見えなかった。

明日から社員旅行だ。会社の事務のおばちゃんは今日いつもより機嫌がよかった。明日に備えて早めに寝よう。