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今を生きる「灯をともす言葉」

月刊誌「暮らしの手帳」の初代編集長 花森安治さんの言葉です。言葉が人の心を変えることがある。同じものを違う角度から光を当てることで、今まで見えていなかった像が浮かび上がることがある。そんな思いにひたれる言葉です。年始に魂が洗われる気持ちになれます。「灯をともす言葉」より。

世間のために気兼ねすることはない。
自分に気兼ねすることはない。
世間の人に気兼ねをして、
自分のしたいことをしないなんて、
最も恥ずべきことだと思うな、自分に対して。
罪悪を侵していることになる。

花森安治「灯をともす言葉」

平均点の美ということと、個性の美ということは、
白と黒ぐらいに、ちがっているはずである。

はっきりいえば、
個性を生かすということは欠点をなくすことでなしに、
むしろ逆に、欠点を強調することだと思う。
個性を生かすということは自分の欠点が、
どこにあるかを知って、
その欠点が、なによりの魅力になるように、
誇張したり、強調したりして、みがき上げることである。

その意味では、大多数のひとは、逆の方向に歩いている。
その結果、面白くも、おかしくもない、
うすぼやけた印象しか与えないものになろうとして、
苦労しているとしか思われないのである。

花森安治「灯をともす言葉」

どうせ二度と生まれてこない、
しかも短い、宝もののような一生ではないか、
命のある限り精いっぱい働き、
精いっぱい楽しむのがいいのである。
なにを自分の手で、
自分の一生を、
狭く、暗くしてしまうことがあろう。

花森安治「灯をともす言葉」

大きな過ちのないということ 
ボクはこんな愚劣な話はないとおもいます 
大した過ちがないということは つまり
なにもしなかったということなのです
人間というものは 何かすれば
成功するチャンスもあれば
失敗するチャンスもある
どこかに歩いて行こうという場合に
大した過ちをしないということは
踏み出さないということではないかと思います
近頃は若い人まで 生きて行くのに
大過なく生きて行こうとしている
人生何十年いきれれるものかわかりませんけれども
過ちがなかったということだけを
誇りにして生きて行くことは
軽蔑したいのです

花森安治「灯をともす言葉」

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