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でき太くん三澤のひとりごと その111

◇ 昭和の変わった塾 その3


昨日、私の実践教室に通ってきている子から、

「あさって試験があるので、今日の教室はお休みさせてください」

というLINEがきました。

このLINEを見たとき、

「この子には、まだしっかり大切なことが伝わっていないな。もう少しじっくり時間をかけて伝えていこう」

と思うのと同時に、

「私が通っていた昭和のあの塾だったら、即、退塾だったな」

と、あのストロングスタイルの塾のことを思い出しました。

昭和の変わった塾について書かれたコラムについては、「note」にバックナンバーがありますので、この塾がどういう塾だったのかを知らない会員の方は、まずそのコラムをお読みいただければと思います。


私が中学生のときに通っていた塾では、定期テスト前に、テスト勉強が理由で塾を休むと、即、退塾でした。

その理由について、その塾の先生は珍しく授業中に説明してくれたことがあります。(宿題を忘れたり、辞書を忘れたりして退塾させた際には、一切その理由についての説明はありませんでした)

「この塾では、定期テスト前に塾を休んでまで勉強しなければならないような授業はしていません」

「私は、定期テストの前にはとくに対策をしなくても良いように、本物の実力を身につけることができるように、普段から課題もしっかり考えています」

「逆に、テスト前だからといって急に授業を休まれると、私の計画に遅れが生じて、授業がやりにくくなるだけでなく、実力を身につけるために必要な課題をしっかり消化できなくなります」

「このような遅れが、テストがあるたびに起こるようでは、ひとり一人の実力育成にかなり影響がでてきます」

「だから、みなさんにお願いがあります」

「定期テスト前だからといって、塾の授業は休まないでください。私は他の塾のように定期テスト対策は一切しませんが、そのような対策をしなくても、私は普段からしっかり良い点数がとれるような授業をし、ひとり一人にしっかり課題を与えています。それを普段からしっかり消化していれば、テスト対策などしなくても良い点数はとれます」

「そして、定期テスト前にあせって学習したようなことは、付け焼き刃のようなもので、本物の実力にはつながりません。どうせ、2、3日もすれば薄れていくような知識です。その程度の知識を身につけて、目先の点数をあげて、何の意味があるのでしょうか」

まさに昭和のストロングスタイル。


この説明を聞いたとき、私は子どもながらに納得しました。

確かに、定期テスト前に対策をしなければいけないということは、普段取り組んでいる学習が「本番」を想定していないということです。

いつも「本番」に備えて、いつテストされてもよい状態を作ることを意識して取り組んでいれば、本来定期テスト前だからといってあせる必要はないんですよね。

私はその先生の話を聞いてから、その塾を卒業するまでテスト勉強が理由で塾は絶対に休みませんでした。

常に「本番」を意識した授業をし、課題を選別している先生を信じて。

そして、塾の営業利益よりも「本物」とは何なのかを伝えようとしている先生を信じて。

昨日、LINEがあった子にも、どうしたら「実力」が身に付くのか。

じっくり時間をかけて伝えていくつもりです。


バックナンバー

昭和の変わった塾 その1
https://note.com/akio_mw/n/n9358ab274750

昭和の変わった塾 その2
https://note.com/akio_mw/n/n6736f2a0d9d4


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