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シリーズ「パラグライダーで墜落。そして入院」

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パラグライダーの大会でまさかの墜落。硬い地面に叩きつけられながらも数々の奇跡でなんとか生きのびる。手術や治療のことから心の動きまで様々なことを時系列で語っています。
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2023年10月の記事一覧

パラグライダーで墜落。そして入院。その12 ~久しぶりにみた空、揺れ動く心~

墜落して27日くらい。腰の本手術をした3日後の話です。 この日のリハビリではベッドでの離床。そしてそこから更に車椅子に乗ることに挑戦しました。 手術をしてまだ3日しかたっていないので、車椅子に乗る時に術創のある左脇腹がかなり痛いのは当然です。また筋力がかなり低下しているのでお尻や太ももなど、座っている時に体重が乗る場所も柔らかいベッドに座っている時点で痛いです。そしてもう一つ、ベッドから車椅子への移動を難しく重要な要素がありました。それは 「左足の免荷重」 これは粉砕

パラグライダーで墜落。そして入院。その11 ~寝たきりの代償~

墜落して26日くらい。腰の本手術をした2日後の話です。 自分用のコルセットが届きました。手術した腰の骨を守るためのものです。腰を曲げたり、ひねったりする動きがNGなので、そういった動きに制限をかけています。なのでおへその下から胸まであるがっしりとしたコルセットです。 さて、腰の本手術から2日経った日で、まだまだ術創が痛みます。動いていなければそんなに痛くないですが、左の横腹に力がかかる動きをするとかなり痛くなります。 そんな状態でもリハビリは再開されます。当然、術創が痛

パラグライダーで墜落。そして入院。その10 ~入院生活のコツ2、おすすめアイテムの紹介~

前回に続き入院生活コツについてのお話です。 入院生活でおきる様々な問題や悩み。解決するには基本的に自分から動いていくしかない。具体的には 1)看護師さんにしっかり主張、相談をする。 2)道具を用意するなど、工夫をして解決していく。 この2つが主な解決方法となります。 前回に続き、今回は2)「道具を用意するなど、工夫をして解決していく」の話をしていきます。実際の入院生活からみえてきた俺的おすすめアイテム特集です! では紹介していきましょう! ~暑さ問題への対策アイテム~ 自

パラグライダーで墜落。そして入院。その9 ~入院生活のコツ1、きちんと相談を~

墜落して26日くらい。腰の本手術をした後の話です。 手術は無事に成功したものの、術後はあまりの激痛に悶え苦しみました。 痛みで一睡もできずに迎えた翌日。なんとか我慢できるくらいにまで痛みは落ち着きましたが、それは動かなければの話。そんな体でCTを撮ったりしなければいけなかったので、ベッドからCTの台などに移動したりと体を動かして横腹に力が少しでも入る度に痛みが走るので本当につらかったです。 それでも傷は治っていくもの。時間の経過とともに痛みはひいていくもの。段々と楽になっ

パラグライダーで墜落。そして入院。その8 ~腰の本手術~

墜落してから23日経った日の話です。ついに腰の本手術の日になりました。 正直に申し上げますと、俺は、、、とても緊張していました。 怪我をしてから3回目の手術となり、最も重要なものになります。この手術の結果次第で、どれだけ運動機能を回復できるのか、どれだけ後遺症が残るのかが決まるからです。 まず運動機能回復に関してはカメラマンとして、そしてパラグライダーパイロットとしてまた復帰できるのかに直結します。 次に後遺症に関してですが、入院直後から粉砕骨折した骨が神経を圧迫している

パラグライダーで墜落。そして入院。その7 ~リハビリと強い意志~

墜落してから15日~20日あたりの頃の話です。 骨盤と左踵の本手術が終わって3日くらい経った頃、いよいよリハビリがスタートしました。とは言っても、まだ腰の方は本手術が終わっていないので、軽いものとなります。両足ともある程度は動かすことはできますが、動かせる範囲も限定的ですし、力も入りづらいくらいのレベルです。主な内容は寝ているベッドの上でマッサージと補助を付けてもらいながら10回、20回動かす程度の筋トレのメニューでした。 自分の病院では患者一人に対して理学療法士と作業療法

パラグライダーで墜落。そして入院。その6 ~気づけた大切なもの~

墜落して緊急入院してから15日にちくらい。骨盤と左踵の本手術が終わって4、5日経った頃の話です。 本手術の痛みも落ち着いて来ました。まだまだ、前回の投稿で書いた痛み、痒みなどの辛さ、そこに寝たきりで体が疲れないことが拍車がかかり、夜全然眠れない日々は続いています。 つらい日々は続いていますが、自分の中で色々なことを考える(?)考えてしまう(?)くらいには体調が戻ってきました。 ですが、この頃はまだ事故の全容もわかっておらず、 なんで墜落してしまったのだろう? 何か大きな

パラグライダーで墜落。そして入院。その5 〜病院食〜

墜落や怪我、そして手術の話だと、どうしても痛い話や苦しい話にばかりなってしまうので、、、今回は病院食についてのお話なんかをいていきましょう。 自分は墜落した翌日から意識はあり、受け答えもしっかり出来ていたそうです。「出来ていたそうです」と書いているのは当時の記憶が殆どないからです。体がショック状態で頭の方には血があんまりいってなかったんでしょうか、、、。よくわかりませんが、緊急搬送されてから転院してしばらくたった頃までの記憶は今は殆どありません。でも事故後初期の頃からある程

パラグライダーで墜落。そして入院。その4 〜手術とその後の苦しさ〜

墜落してから10日。話は転院して、翌日の手術のための検査を終えて、ご飯を食べて落ち着いた夜の話になります。 ゆっくりし始めた時に看護師からある事を言われました。 「明日の左足の手術のために足のむくみは取っておきたい。なので足を高くして寝て欲しい」とのことでした。 それはつまり、、、移動で犠牲にした腰がめちゃ痛い寝方なんです。 無理ぃぃ!!! となりましたが、、、手術のためです。拒否するわけにはいきません。。。 看護師さんと相談をしながら寝方をあーでもない、こーでもないと試行

パラグライダーで墜落。そして入院。その3 〜転院〜

緊急入院して数日で転院することが決まりました。転院したのは墜落から10日後のことです。ちなみに転院先は実家近くの大きな病院です。 そうなった詳しい経緯はわからないんですが、おそらく担当の先生がなるべく実家近くの病院の方がいいだろうと判断されたんではないかと推測しております。 実家の県内で候補に上がった病院は3つくらいあったそうです。実家からはちょっと距離のある都市の大きい病院なども候補に上がっていたと聞きます。その中で選ばれたのは都市の病院ではなく、地方にある実家から車で1

パラグライダーで墜落。そして入院。その2 〜緊急手術とその後〜

パラグライダーによる墜落。 今回は緊急手術とその後について書いていきます。 前回すこし触れましたが、怪我としては ・骨盤輪損傷(仙腸関節離開、左恥骨結合離開) ・第1,2腰椎破裂骨折 ・第1〜4腰椎横突起 棘突起骨折 ・左踵粉砕骨折 ・右肘頭開放骨折 でした。 レントゲン写真で見るとこんな感じです。(腰の骨はありませんでした) 特に深刻なのは骨盤と腰椎の骨折。 この二つが緊急手術の対象でした。 応急処置的な手術で骨盤には左右にそれぞれピンを立てられました。そのピンは骨

パラグライダーで墜落。そして入院。その1 〜墜落した日〜

気がついたら、何故か病室で寝ていてました。全く訳がわかりませんでした。 パラグライダー中に墜落してしまいました。 今、この投稿を書いているのは事故から、約2ヶ月たち、振り返りながら書いています。 しばらくnoteに事故の事や入院生活について色んな角度から書いていこうと思います。 まずは自己紹介を。 前島聡夫(まえしまあきお)と申します。 東京でフリーランスのフォトグラファーとして主に写真、たまに動画の仕事をしながら、パラグライダーを本気の趣味でしています。パラグライダー