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幻想の夢

 物語の舞台となるのは、大樹の幹や根の中にある魔樹学校。ソファーやベッドが生きているかのように喋ったり動いたりできる、精霊の国みたいな世界観だ。暗くて古めかしい反面、幻想的で美しいその世界には、魔法のような精霊エネルギーを使える人がいて、魔樹と呼ばれる大樹はそのために(能力を開花させた年少者が集って制御方法を学ぶために)ある学校であった。
 校内における主人公二人の立場は対照的で、旧家と新興貴族のような派閥格差による隔たりがあり、まるで敵対関係にあるかのようにいがみ合っているいる。なかでも主人公の母親はかなりの有権者で、悪い魔女のごとく恐れられていた。

 実はお互いに好意を抱いている主人公二人だが、彼らは自分自身にすらそれを許せないでいる。内包した感情を認められず、言葉で反発を繰り返していた。

 年月が経つにつれ、徐々に引きずられる心と体の反応。不本意な立場にある葛藤。それにより近付いてはすれ違う二人だった。


 母親の勝手な行動(画策)を知り、その命(もしくは才能)を狙われている彼女を救うべく、白樹の森に飛び出す彼がいた。
 仲の良い友人宅に相談事があって泊まっていた彼女のもとに、呪われた古大樹の黒い渦が乗り込んできて……

 緊迫した争いの最中、隠されていた秘密ーー友人の家に伝わる家宝の二つが明らかになる。一方は人心を操る力のある剣で、一方はそれから守る(術を打ち破る)力のある鏡であった。
 剣を持っていながら、なぜ隠すのか、なぜ戦わないのかと責める彼に、その友人は「二つあるがゆえの均衡を崩してはならないのだ」と語る。
 それを使えば助けられるのに、仲間を見捨てるつもりかと叫ぶ彼は……もはや彼女の味方であった。


そうして始まる物語。
「えっ、終わり?!」と、続きが気になる設定でした。笑

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