毒づきドクコのエンターショー6
『リコちゃん!今日はやすくんの家に集合だよー。ゲームしようね。』
『なっちゃん、わかった!また後でねー!』
そこには小学校4年生のリコがいた。
『懐かしい〜♫』リコは昔の自分を見て感動をしていた。
『シッ!あんたを感動させるために来たわけじゃないのよ!まったくー』とドクコはリコに小言。
『す、すみません。。つい。。』と
リコはしょぼんとしながら幼き自分を見つめる。
『リコちゃん、今日遊びに来るよね?』
『やすくん!うん、いく』
リコは少し頬を赤めうつむき加減でやすくんに返事をした。
『じゃー、あとでね!』
リコは胸に手をあてて。。
『あぁ。。ドキドキしたぁー!』
一人でうずくまるリコ。
そう、リコはやすくんが好きなのだ。
クラス一緒になった時点で一目惚れ。
『は、はやく、家に帰らなきゃ!』
と、リコはダッシュで家に帰った。
ランドセルはポーンと投げて
『お母さん、服、変じゃない?変じゃない??』と何度も確認して、
やすくんの家に走って向かった。
『急げ!急げー!あたしー』
ピンポーンー♪
『あら、リコちゃん、いらっしゃい』
やすくんのママが笑顔で迎えてくれた。
『中に入って!どうぞ』と
部屋に入れてもらうと、まだ誰もきていなかった。
2人きりの部屋にドキドキしすぎたのかうまく話せないリコ。
やすくんは、そんなことは気にせずゲームに集中。
『あ、あ、あのやすくん!』
『うん?なに??』
『ううん、ゲ、ゲーム楽しいね!』
リコは何を話していいのか分からなかった。緊張しすぎて、沈黙にドキドキ。。
そこに他のクラスの子達が来た。
『リコちゃん、早いねー!』
『あ、うん!、早くついちゃった、はは。。』
リコはやすくんに早く会いたくてとは口が裂けても言えなかった。
恥ずかしくて。。
そう、昔のリコはどちらかというと
女の子らしい可愛さよりも姉御肌的な雰囲気だったを
が故に、恋をした相手にはうまく接することができず、何かと誤解を招きやすい女の子だったのだ。
緊張が故にけなしてしまったり、
ツーンと無視してしまったり。。
『あたし。。昔は不器用だけど、
言いたいことも言って、強かったな。
まー好きな人の前は強がりだったけど。。なんか、忘れてたかもな』
ドクコは、そうつぶやくリコの横顔を見つめてニヤリと笑った。
『リコ!次のドアに行くわよー!』
『え?もう?!』
『ちんたらしてたらあんたの人生、
一瞬で終わるわよ!時間は待ってくれないの!!』
そう言い放つと、ドクコはまたリコを薄汚れた布に乗せた。
『さっ!いくわよ!』とリコの小学生時代から飛び出した。
つづく。。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?