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ぼたん鍋

年末にいただいた「脂の乗った冬の猪肉」を使って、ぼたん鍋をしました。去年8月に獣の解体を始める前、私が猪肉と聞いて想像できた料理は実は一つしかありませんでした。それが「ぼたん鍋」です。お肉を送った友人、知人も同じで、猪肉を送ると伝えると、まず開口一番に「ぼたん鍋」という単語が出てくる。ただ、実際に害獣の解体をやるようになると、実は「ぼたん鍋」を食べる機会ってほとんどないことが分かってきました。第一に、害獣として駆除されてくる猪(夏の猪)は脂が全く乗っていないので、ぼたん鍋には向いていない。それに師匠からも「味噌で煮込まなくてはいけないような臭い肉じゃないし、そんなに強い味を付けたらむしろ猪の良さが消えてしまってもったいない。しゃぶしゃぶがええぞ」と言われていました。それでこれまで一度も「ぼたん鍋」を食べたことがなかったのですが(子どもの頃に食べていたのは猪鍋ではなく、どうも猪のすき焼きだったらしいので)、せっかく脂の乗った猪肉も手に入ったのだし、記念に、というか一度くらいは「ぼたん鍋」なるものを食べてみることにしました。もちろん師匠に断ってから食べました。「オススメじゃないのは分かってるけど、いっぺんは食べてみたいから」と。

ぼたん鍋3

1、昆布とカツオで出汁をとり、赤味噌、白味噌少し、酒、みりん、粉山椒、砂糖少し、でスープを作る。

ぼたん鍋1

ぼたん鍋2

2、白菜、長ネギ、水菜、しめじ、えのき、豆腐、その上にスライスした猪肉を並べ、アクを取りつつ煮込む。

ぼたん鍋6

ぼたん鍋7

ぼたん鍋12

3、しっかり火が通ったら、粉山椒か、生卵を付けて食べる。

ぼたん鍋8

ぼたん鍋10

まとめ:イメージしていたものとは、だいぶ違いました。良い意味で違っていました。師匠には申し訳ないけれど、ぼたん鍋おいしいです。確かに味の濃い赤味噌で煮込んでいるんですが、なんだろう、くどくないし、重くない、臭み消しのために味噌を入れているのとはちょっと違います。消すのではなく、生かすための味噌仕立てなんだと。猪肉の良さ、獣の肉の力強さ、野生肉の素朴さ、そういうものが生きている感じがしました。明らかに豚肉とは違う旨味があります。これが「ぼたん鍋」か・・・と。なぜ「ぼたん鍋」「ぼたん鍋」と人が言うのか、なぜ主流の食べ方としてずっと食べ継がれてきているのかが分かった気がします。すき焼きも好きですが、脂の乗った猪肉は赤味噌で煮込んで食べる方がいいです。味噌と山椒のバランスが絶妙なので、生卵は要らないです。むしろ無い方がいい。味噌ベースだから煮汁もたまらなく旨くて、翌日のお昼にうどんを入れて楽しみ、さらには野菜を足した「ぼたん味噌汁」を白ごはんで食べる喜びがありました。最後の最後まで、うまい。
師匠には「いっぺんだけ記念に食べてみる」と言いましたが、冬の猪が手に入ったらまた「ぼたん鍋」で食べてしまうと思います。とはいえ、師匠オススメのしゃぶしゃぶはまだ試してないので、そっちを食べたら悩むかもしれませんが・・・。

ジビエの手引き *ジビエお料理リスト *ジビエをおいしく食べるコツ


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旅人/作家/害獣解体作業人/木こり 著書:インパラの朝、リオとタケル、N女の研究、ラダックの星、など。訪れた国:約100ヵ国。他に、駆除害獣(鹿&猪)の解体とジビエ肉の配布、また伐採など森の整備をやっています。https://akinakamura.net/