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身体運動は伝染する。ハピネスも伝染する

アディッシュでは週3日全拠点朝礼を行っているが、朝礼の最後に簡単なエクササイズをしている。

これを始めたのには理由がある。 

拠点を超えたつながりとか、もちろんそれはそうなのだが、すべては、身体運動を発生させるためである。

3年前、人工知能の全体像を理解すべく読み漁っていたのだが、中でも「ハピネス度」という項目が目に留まり、日立製作所で研究されている矢野さんの著書『データの見えざる手』にたどり着いた。
 
満足度を図るには、アンケートくらいしか方法が思いつかないが、とあるコールセンターのメンバーにウェラブルセンサをつけて生データを収集し、ハピネスの源を考察したという内容。

その実験で、以下が分かったという。

・ 休憩時間中の活発度が10%以上向上すると、受注率が13%向上

・ オペレーター業務はもっぱら「個人プレー」であり、「チームプレー」の要素が少ない。個人プレー色の強い業務でさえ、「現場の活発度」という「集団的な要因」が生産性やコストに強く影響している

・ 逆に、身体連鎖が起きにくい現場では、オペレーターの身体運動のスイッチがオフになり生産性が低下する

そして、データを考察した結果、「身体運動は伝染する。ハピネスも伝染する」というのだ。 

・ 複数人集まった場では、人の身体運動は集団的な協力現象を生み、人と人とが互いに影響しあうことで、その活発度は高まる

・ 自分の身体のことは自分(あるいは自分の脳)が決めていると考えがちだが、しかし、これは正しくない。まわりの人の強い影響を受けており、同時に周りにも影響を与えている

・ 我々が主観的に感じるハピネスとは、この集団的な身体運動の活性化にともなって生じる感覚(おそらくあとづけて生じる感覚や意識)だと考えると、ハピネスとは実は集団現象ということになる

過去、日立製作所では、かなり大規模な運動会を開催していたらしいが、「仕事の時間を削ってでも続けるべきだった」という一節は、私たちの捉え方も変わるわけで。たしかに、毎週水曜日の朝礼はフィリピン拠点をつないで英語で実施しているが、エクササイズは日本語でも(もはや言語がなくても)通じている。


新たな取り組みは、当初は勢いもあっていいが、それがあることが当たり前になったとき、その意義より不満やめんどくささが勝ってしまうことがある。エクササイズひとつとっても、業務外の身体運動の連鎖を発生させてくれ、これが私たちのハピネスにつながり、生産性に寄与しているとしたら、朝礼運営委員のメンバーにはこれまで以上に感謝をしたい。

「ハピネスが実は集団現象」なのであれば、これを念頭においてこれからの働き方や仕事の設計を考えたら、もっと楽しそう。

こんなことをぐるぐる考えている次第である。



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